So-net無料ブログ作成
検索選択

水産物汚染は、このままでは手遅れになる! [残留放射能]

まずは、極めて悪質な行政のウソを指摘したいと思います。
-----------------------------------------------------------
水産庁Webサイト
  http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/Q_A/index.html

Q.魚の体内には海中の放射性物質は蓄積しないのですか?
A.放射性物資が海の中に放出されても、海水の量がはるかに多く海流もあるため、
  その濃度は低くなります。従って、魚への影響は小さいものと考えられます。
  セシウムは、カリウム(野菜や果物に多く含まれる)と同じように、
  魚の口から入り、えらや尿から出て行きます。このため、
  たとえ放射性セシウムが魚の体内に入っても蓄積しません。
  放射性ヨウ素については、半減期が短く(8日間)、
  魚への蓄積や魚を通じた人体への移行の程度が小さいため、
  暫定規制値が示されていませんでしたが、
  茨城県北部のイカナゴから相当程度検出されたことから、
  厚生労働省は、野菜類と同じく2,000Bq/kgとしたところです。
-----------------------------------------------------------

水産庁のサイトには、「水産生物における放射性物質について」というファイルが
2種類アップされています。
簡易版
http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/Q_A/pdf/110512housyanou_suisannseibutu_rev.pdf
詳細版
http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/Q_A/pdf/110331suisan.pdf

簡易版の2枚目、詳細版のP21のグラフでは、
セシウムの濃縮が進む(海水から大型魚へ10~数十倍濃縮される)ことが
示されているのに、上記のような嘘をヘーキで書いているのです。

しかもグラフには、「濃縮係数が上昇しない」とあります。
海水から大型魚類へは10~数十倍で濃縮するのであって、
上昇しないのは「係数」でしかありません。
折れ線グラフを使った、こそくな「見せ方トリック」です。

ちなみに、水産庁が「蓄積しない」根拠としている文献、
「日本沿岸海産生物と放射能--放射能濃度の変動要因と生態トレーサーとしての放射能」は、
海洋学者だった笠松不二男氏の論文ですが
(国会図書館に収録されているようです。
 http://ci.nii.ac.jp/naid/40004392950 )
結論はまったく異なっており、
●濃縮は進む
●特にセシウム137は半減期が長いうえ生物に取りこまれやすい
と指摘した上で「DDTほどに濃縮しやすいわけではない」としているのです。
水産庁は都合よくその部分だけを切り出し、歪曲して引用しているのです。

また、水産庁はこの説明用pdfファイルでいったん
「蓄積しません」としたものを、
「わかりにくい表現を修正」するとして
「蓄積しつづけない」に改めています。
なんという小役人根性!でしょう。
かつての水俣病やイタイイタイ病も、
上記と同じような”行政の不作為”が
悲劇を生み、拡大させています。

そして水産庁は、上記のような空論から
そら恐ろしい結論(サンプリングの指針)を出しています。
●Cs-137を特に蓄積する種類はいない→県の代表的な魚種を調べれば良い。
●筋肉中の濃度のほうが高い傾向→可食部である筋肉(カリウム含量多い)を調べれば良い

留意してほしいのが、詳細版P6に示された測定方法で、
なんと、頭、内蔵、骨を捨てた上で数値を計測しているのです。
大型魚が小型魚を三枚に下ろしから食べるとでも思っているのでしょうか?
これは推論でしかありませんが、イカナゴやシラスは
頭や内蔵、骨を捨てて計測できない小さな魚だったから
高濃度だった(全身で計測したため)可能性も否定できません。

さらに、特定の魚種のみで凝縮が進むわけではないことを理由に
「代表的な魚種を調べれば良い」としているあたりは
もはやエセ科学と呼んで差し支えない暴論です。
捕獲される魚によって生息域も海域も異なるのですから、
安全性が担保されるどころか、危険を増幅する指示でしかありません。

ともあれ、私は、取り返しのつかない事態になる前に何とかせねばと、
取り急ぎ、行政刷新担当大臣の蓮舫議員、農水大臣の鹿野議員に、
問題の指摘と対処をお願いするメールを送りました。

私一人の力で、とてもこの事態を打開する自信がありません。
自分自身はもちろん、ご家族や友人、いや、見知らぬ隣人や
子供たちみんなを守るために、皆さんの一人一人が、
何らかの行動を起こしてくれることを期待します。

蓮舫議員(行政刷新担当大臣)のサイト
http://renho.jp/
鹿野道彦議員(農林水産大臣)のサイト
http://www.kano.or.jp/



2011年7月7日追記水産庁は この7月5日、大幅にWebを改めました。
いまだ取り繕いはあるのですが、

>海水中や餌中に含まれる放射性セシウムは魚の体内に取り込まれ
>海産魚の放射性セシウムの濃度は、周囲の海水中の放射性物質の
 濃度の5~100倍に濃縮(食物連鎖による影響を含む)することが報告されており

と、ようやくこのサイトで指摘した内容に書き換わりました。

それから、本文で私は
「頭や内蔵、骨を捨てて計測できない小さな魚だったから
 高濃度だった(全身で計測したため)可能性も否定できません。」と記述しましたが
セシウムは筋肉に蓄積しやすいので、可食部だけを計測した方が
高い数値になる可能性が高いようです。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

関連リンク

メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。