【石塚広志】東京電力福島第一原発事故から1年を過ぎても一部の魚から高濃度の放射性セシウムが検出されていることから、国の総合科学技術会議は、汚染源や汚染経路の解明を目指した緊急調査を実施する方針を決めた。
事故後、水産庁などが魚を約2万検体調べたところ、セシウムの濃度は低下傾向にあった。だが、海産魚では今年8月、原発から北に約20キロ離れた沖合でとれたアイナメ2匹から、事故後の魚介類調査では最高値の1キロあたり2万5800ベクレルが検出された(食品基準は100ベクレル)。
川魚でも、3月に飯舘村の新田川のヤマメから1万8700ベクレルが検出された。ヤマメやイワナはその後もセシウムの濃度が下がらず、福島県や周辺各地で出荷制限が続いている。