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【ワシントン=望月洋嗣】米中央情報局(CIA)のペトレイアス長官(60)が9日、不倫を理由に辞任した。オバマ大統領が同日の声明で、辞任を受け入れたと発表した。オバマ氏が再選を決めた直後の辞任で、政権運営にも影響が出そうだ。
ペトレイアス氏はCIAの職員にあてた声明で、結婚して37年になるのに、不倫をしたことについて、「極めてまずい判断だった」と説明。「夫としても、(CIAのような)組織の指導者としても、容認されない」としている。米NBCによると、相手はペトレイアス氏に関する著作がある女性作家だという。
CIAは9月11日に起きたリビア東部ベンガジの米領事館襲撃事件をめぐり、未然に防げなかった責任を米議会などから追及されている。長官職は当面、モレル副長官が代行する。
ペトレイアス氏は米陸軍出身で、駐留米軍の司令官としてイラク、アフガニスタンの両戦争で活躍し、米中央軍司令官も務めた。勤勉かつ実直な人物として超党派の支持を集め、昨年9月、パネッタ前長官(現国防長官)の後任として長官に就任した。辞任のメッセージでは「人生の偉大な贈り物は、価値のある仕事を懸命にやることだ」というセオドア・ルーズベルト元米大統領の言葉を紹介している。