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村上春樹氏また受賞逃す 中国の莫言氏にノーベル文学賞
2012.10.11 20:06
[ノーベル賞]
【ロンドン=内藤泰朗、北京=川越一】スウェーデン・アカデミーは11日、今年のノーベル文学賞を、現実と幻想の世界を融合させた独特の表現方法で中国の農村生活を描きだした著作などで知られる中国の代表的作家、莫言氏(57)に授与すると発表した。
同アカデミーは「幻想的リアリズムによって、民話、歴史そして現代を融合させている」と評価した。中国人のノーベル賞受賞は、2010年に民主活動家の劉暁波氏(国家政権転覆扇動罪で服役中)が平和賞を受賞して以来、2年ぶり。
莫氏は1955年2月、中国山東省高密県生まれ。農村家庭に育ち、60年代半ばの文化大革命で小学校中退を余儀なくされた。人民解放軍在籍中に著作活動を開始。中国当局の検閲を避けるため、暗示や比喩、間接表現を駆使して、中国国内でタブーとされる政治的に敏感な内容を含んだ作品を発表してきた。
代表作は「赤い高粱」。張芸謀監督が映画化した「紅いコーリャン」は88年にベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した。2011年に発表した「蛙鳴」は、中国文学界で最も権威があるとされる茅盾文学賞を受賞している。
中国系作家としては00年に高行健氏がノーベル文学賞を受賞している。しかし、中国政府に批判的だった高氏は1987年に弾圧を逃れてフランスへ移り、国籍を変更しており、中国国内では「中国人作家」として認められていない。
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