トップページ国際ニュース一覧シリアの窮状 邦人医師が訴え
ニュース詳細

シリアの窮状 邦人医師が訴え
11月10日 19時43分

内戦状態が続くシリアで医療活動を行っている国際的なNGO「国境なき医師団」のメンバーとして現地で活動にあたった日本人医師が、10日、NHKのインタビューに応じ、戦闘に巻き込まれ十分な治療を受けられずに死亡する市民が相次いでいる窮状を訴えました。

シリアでは先月、国連などの調停で行われたアサド政権と反政府勢力との間の停戦の試みが事実上失敗してから、戦闘がさらに激しさを増しています。
そのシリアで国際的な医療支援団体「国境なき医師団」のメンバーとしてけが人などの治療にあたった横浜市の初雁育介医師(42)が、10日、東京都内でNHKのインタビューに応じました。
この中で、初雁医師は、アサド政権による空爆で大けがをし、両足を切断せざるをえなくなった8歳の女の子の治療にあたるなど、多いときで1日に100人を超える患者の治療を行ったことを明らかにしました。
また、「なぜ罪のない人たちがこのような目に遭わなくてはいけないのだろうかと身につまされる思いだった」と述べ、医療物資や医薬品が不足し十分な治療が受けられずに死亡する市民が相次いでいる窮状を訴えました。
そのうえで、政権側が医療施設を攻撃の対象にしていると批判するとともに、「すぐに戦闘を中止し支援を行えるようにしてほしい」と述べ、アサド政権と反政府勢力の双方に早期に戦闘を停止するよう求めました。

[関連ニュース]
このページの先頭へ