【北京=島田学】中国河北省の万里の長城近くを訪れていた日本人観光客らが大雪に見舞われて遭難した事故で、在中国日本大使館は、5日までに地元当局から日本人3人が死亡したとの連絡を受けた。ツアーを企画した旅行会社は同日、社員による下見を行わず、判断を現地任せにしていたことを明らかにした。
在中国日本大使館などによると、死亡したのは「アミューズトラベル」(東京・千代田)のツアーに参加した埼玉県の渡辺邦子さん(68)、東京都の小川陽子さん(62)、福岡県の柳井俊一郎さん(76)とみられる。参加者の富山県の渡辺美世施さん(59)と、添乗員を務めていた同社社員の中国人男性、明平銘さん(25)は救助され無事という。
アミューズ社が現地の旅行会社から紹介を受けたフリーランスの男性ガイド(47)は単独で下山し無事だった。
アミューズ社によると、明さんと男性ガイドが遭難前日の2日夜、現地の天気予報で「午後から雪になるが、大雪にはならない」と聞き、3日は登山が可能と判断。
3日午前は雨具が必要ない程度の雨だったが、午後から天候が悪化。午後4時半に下山口へ到着する計画だったが、午後4時ごろには大雪と強風で身動きが取れなくなったという。明さんと日本人4人は2つの簡易テントに分かれて退避。男性ガイドは助けを求めるため下山した。
日本人4人は10月28日に成田、福岡の両空港を出発し、北京で合流。11月5日までの予定で、1日15キロ程度を歩く予定だった。参加者には薄手のセーターなどを用意するよう求めていたが、雪山の装備は求めていなかった。
今回のツアーは明さんを中心に3月ごろから現地の旅行会社「北京飛鴻戸外倶楽部」の情報提供を受けて企画し、このルートでは初のツアーだった。アミューズ社としての下見は行わなかったという。
アミューズ社が主催した2009年の北海道・大雪山系トムラウシ山遭難事故では8人が死亡。その後、同社は国内ツアーでは気象予報会社と契約して気象情報を得ていたが、海外では現地ガイドや添乗員に任せていたという。
日本旅行業協会などは登山やトレッキングのツアーに関し、旅行業者向けのマニュアルを策定。初めてのルートでツアーを企画する際は、下見などを通じ現地の状況を把握することなどを求めている。
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