万里の長城遭難:海外登山も下見を…ガイドライン改定へ

毎日新聞 2012年11月10日 02時31分(最終更新 11月10日 02時41分)

遭難事故が起きた中国河北省張家口市の位置
遭難事故が起きた中国河北省張家口市の位置

 中国・万里の長城で日本人ツアー客3人が死亡した遭難事故を受け、日本旅行業協会(JATA)と全国旅行業協会(ANTA)は、ツアー登山を企画する際に十分な下見や情報収集を行うとしたガイドラインを海外ツアーにも適用するよう改定する方針を決めた。早ければ今月中にも改定する。

 ◇業界団体、遭難事故受け

 業界団体は05年、ツアー登山を初めて企画する場合や事故、安全対策についてのガイドラインを作成。下見や情報収集を行って事故防止に努める他、引率者が救急救命の技術を持つことなどを求めている。観光庁はこのガイドラインが海外でも準用されるとの認識だが、実際には海外のツアーでは「参考」にするとしか記されていない。

 万里の長城ツアーを企画した旅行会社「アミューズトラベル」(東京都千代田区)はJATAに加盟。事故が起きた今回のツアーでは、同社社員が現地を下見しておらず、冬山の装備も指示していなかったという。

 こうした状況を受け、業界団体は8日に連絡会を開催。ガイドラインを概括した前文に「国内外を問わず」と明記する他、コースの下見や緊急時の連絡方法を記した「安全対策」と「人的対策」の項を、各国の法令に合わせて詳細化するなどの方向で調整することを決めた。

 JTBグループ本社の立川基久広報室長はガイドラインの運用について「海外ツアーであっても登山場所の高度やコースの難度などに応じて必要な準備を整えてきた」と話す。

 登山やトレッキングツアーを専門に扱う東京都港区の旅行会社の担当者も「その山に精通した現地ガイドに何度も下見をしてもらった上で、日本人の体力、特質に見合った企画を立てている」と強調。基本的にこれまでと変わらないという認識だ。

 ただ、国内の旅行業者約1万社のうち、JATAやANTAに加盟するのは約6600社。JATA広報グループは「非加盟の業者にガイドラインを順守してもらうには、観光庁を通じてお願いするしかない」と話している。【川辺康広、市川明代、袴田貴行】

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