安倍氏殺害予告:発信PC特定 所有者は否認
毎日新聞 2012年11月01日 23時52分(最終更新 11月02日 00時41分)
安倍晋三自民党総裁の殺害予告メールが警察庁などに相次いで届いた事件で、警視庁などの合同捜査本部は1日、発信元の個人宅を特定し、20代男性とその両親から事情を聴いた。3人はメールについて「まったく身に覚えがない」と話したという。同本部は遠隔操作された疑いもあるとみて、偽計業務妨害容疑で3人のパソコン(PC)計5台を押収し、ウイルス感染の有無について解析を進める。
同本部によると、男性は「約1カ月前に2ちゃんねるから無料ソフトをダウンロードした後、PCの動作が極端に遅くなった」と説明。その後、本人がPCを調べたところ、「自分でインストールした覚えのないプログラムが入っていた」と話したという。捜査関係者によると、一連のPC遠隔操作事件で使われたウイルスとは別の名前だった。同本部はそのプログラムが原因でPCが感染した疑いがあるとみて調べる。
殺害予告メールは10月1〜17日、警察庁や首相官邸などに計42通が送り付けられた。そのうち、同2日から9日までに首相官邸に届いた6通についてIPアドレスを調べたところ、いずれも同じ発信元だったことが判明し、男性らから事情を聴いた。
残りのメールも国内の同じプロバイダー(通信事業者)が利用されており、同じ発信元の可能性があるとみられるという。
メールには、遠隔操作されたPCから犯罪予告が送られた事件の一部について「やったのは俺たち」などと記されていた。また、一連の事件が報道される前から「他人のPCを踏み台にしている」と、遠隔操作を示唆する表現もあり、同本部が関連を調べていた。【小泉大士】