炉辺荘のアン : 第七赤毛のアン / モンゴメリ, 村岡花子（訳）（新潮文庫）
家庭に収まったアンとその家族の日常を描いた、文字通りの「家庭小説」。こじんまりとしたエピソードの積み重ねで地味な印象があったが、再読してみるとかなり楽しい。個人的にはワンコのエピソードが超お気に入り。
最終数章のクリスティーンの挿話が多分この作品の中でいちばん有名なエピソード*1じゃないかと思うんだけど、今読み返してみると、これ、物語展開そのものが面白いと言うのとは違うのね。主人公の心の揺らぎの描写がリアルすぎて身につまされると言うか、「あるあるあるあるw」状態と言うか、とにかく非常に上手いのだ。モンゴメリの筆致が絶妙なのか、オンナゴコロが不変なのか…（笑）