逮捕状提示は刑訴法に規定 配慮を求める声も
産経新聞 11月10日(土)7時55分配信
刑事訴訟法では、警察などの捜査機関が逮捕状に基づいて容疑者を逮捕する場合、逮捕状に記載されている内容を容疑者に示すよう規定している。しかし、専門家からはストーカー事件では被害者に対する配慮を求める声もある。
逮捕状には容疑者名や罪名などのほか、逮捕容疑の事実関係などが記載されており、被害者の氏名や住所などが記載されていることもある。今回の事件では、被害者の結婚後の名字や転居先の市名などを読み上げていたが、警察庁幹部は「逮捕状を示すのは容疑者がどのような事件で逮捕されるのか、本人によく理解してもらうことが目的。容疑者に示さないのは法律上、難しい」と話す。ただ、今回のようなケースでは「旧姓や通称名などを告げることで対応できたかもしれない」という。
お茶の水女子大の戒能民江(かいのう・たみえ)名誉教授(ジェンダー法学)は「ストーカーとドメスティックバイオレンス(DV)事件では被害者情報の秘匿は絶対的に重要。逮捕状読み上げは必要だが、被害者の新しい姓や住所は逮捕事実と無関係で、読み上げで生じる危険性を重要視していなかったのではないか」と話している。
最終更新:11月10日(土)8時38分