2012年09月29日 (土)妊娠中の感染に注意を 患者会設立
妊娠中の女性が感染すると生まれてくる赤ちゃんに障害が出るおそれがある病気の患者会が設立され、妊娠中の注意点などを広く呼びかけていくことになりました。
患者会を設立したのは、妊娠中にトキソプラズマという寄生虫やサイトメガロウイルスに初めて感染し、子どもの脳や耳などに障害が出た母親たちです。
都内で23日開かれた設立総会で患者会の顧問を務める長崎大学小児科の森内浩幸教授が、感染して障害が出る子どもの数は推計でトキソプラズマが毎年数百人、サイトメガロウイルスはおよそ1000人と報告しました。
トキソプラズマもサイトメガロウイルスも、主な感染経路がわかっているため注意すればある程度予防できますが、注意点が妊婦に知らされていないのが現状です。妊娠中、サイトメガロウイルスに感染し、9歳の娘が脳や耳に障害がある母親は、「上の子の世話をしているときに感染したと思う。正しい情報を知ってもらうという当たり前のことができていない。これから先、この母子感染で障害のある子供が生まれないようにすることが願いであり役目だと思っている」と発言しました。
また3歳の娘が心臓や肺などに障害がある母親は「上の子のおむつ交換や食事の世話をしていて感染したようで、注意が必要と知っていればを気をつけていた。そうすれば感染の確率をへらせたのではないか」と話しました。
患者会は、ホームページで、妊娠中の注意点などを紹介していて、今後、国や医療機関などにも妊婦に対して情報提供するよう求めることにしています。
患者会の代表の渡邊智美さんは「この母子感染については母子手帳に書いていないし、国も注意を呼びかけていない。 知らずに感染して悲しむ人が減るよう、啓発していきたい」と話しています。
ホームページのアドレスは、http://toxo-cmv.org/です。
記者自身2人の子どもがいますが、今年4月に取材を始めるまで、トキソプラズマもサイトメガロウイルスも全く知りませんでした。知らずに妊娠生活を送っていたことが怖くなり、子どもに障害がないのは運が良かっただけだと思いました。障害のあるお子さんを抱え、ただでさえ大変な生活の中で、患者会を設立したお母さんたち。「これから生まれてくる赤ちゃんが健康に産まれてきますように」「知っていれば防げたと後悔する母親が減りますように」、そんな強い願いから患者会を立ち上げました。お母さんたちの懸命な呼びかけに、どうぞ耳を傾けて下さい。これまで掲載した患者会のホームページに関するブログは、http://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/2012/09/08/トキソプラズマの母子感染についてのブログは、http://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/400/119912.html
投稿者:松岡康子 | 投稿時間:06時00分
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