2012年09月08日 (土)妊婦さん確認を!母子感染の注意点


妊娠中に感染すると生まれてくる赤ちゃんに障害が出るおそれのある母子感染について、5日、患者会が、注意点などをまとめたホームページを作り、公開しました。

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ホームページを作ったのは、妊娠中にトキソプラズマという寄生虫やサイトメガロウイルスに初めて感染したことで、子どもに障害が出た母親たちで作る患者会です。ホームページは、専門家に監修してもらい、トキソプラズマやサイトメガロウイルスがどのように感染するかや、感染を防ぐためにはどんな注意が必要かなどが、11項目にまとめられています。

20120908boshi_2.jpg具体的には、▽肉はしっかり中心部まで加熱してから食べること、▽殺菌していないミルクは飲まないこと、▽小さな子どもと食器を共有したり、子どもの食べ残しを食べないこと、▽汚れた猫のトイレに触れないことなどが紹介されています。

20120908boshi_3.jpgまた、母子感染した親子の体験談も掲載され、感染が分かった経緯や子どもの障害の状況などがつづられています。

20120908boshi_5.jpg先天性トキソプラズマ・サイトメガロウイルス感染症患者会代表の渡邊智美さんは「知識があればある程度防げるのに、妊婦に注意点が知らされていないのが現状なので、妊娠中の女性や妊娠を考えている女性は、ぜひホームページを見て、注意してほしい」と話しています。ホームページのアドレスは、http://toxo-cmv.org/です。

20120908boshi_4.jpg日本小児感染症学会が行った調査では、母子感染によって障害が出た子どもは、平成20年までの3年間でトキソプラズマでは16人、サイトメガロウイルスでは140人と報告されています。この他にも、生まれた時点では障害がなくても、成長するにつれて目や耳などに障害が出てくる子供もいます。「あの時、肉を生で食べていなかったら、わが子は病気をもって生まれなかったかもしれない」「妊娠中、上の子の食べ残しを食べなかったら、下の子に障害はなかったかもしれない」、そんな辛い思いをする母親がこれ以上増えてほしくないという願いから、このホームページは作られました。本来なら厚生労働省が行うべき啓発活動を、障害の子供を抱える忙しい母親たちが行っています。妊娠中や妊娠を考えている女性はぜひチェックして、注意してください。


 

投稿者:松岡康子 | 投稿時間:06時00分
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