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政治
【野田政権考】「尖閣防衛」の先にあるもの
2012.11.10 11:40
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野田政権は、沖縄の無人島を舞台に日米の部隊が実働する離島奪還訓練の実施を見送った。「対中恐怖症」極まれり、といったところか。日本がなにがしかの配慮をすれば、中国はそれを理解して行動を自制する-ということが妄想に過ぎないことは、尖閣諸島をめぐる中国の対日姿勢をみれば分かりそうなものだが、野田佳彦首相(55)ら政府民主党の要路の方々は気づかないらしい。
中国に誤ったメッセージ
訓練見送りは、中国への誤ったメッセージとなり、中長期的には対日姿勢がより強硬になる方向に作用するだろう。日本政府に、領土領海を必ず守るという気魄(きはく)、ガッツが相変わらず欠けていることを教えたからだ。戦前の日本を知る指導者が中国を率いていた間は-戦後の日本がいかに柔弱でも-今のような高圧的行動に出ることは少なかった。けれども今や戦前の貯金は尽きた。
日本に下手に手出しをすればやけどを負う、と中国に思わせることが平和への近道なのに、目先の安寧を求めて実働訓練すら控えるとあっては侮られるばかりだ。イギリスの宥和政策がナチスドイツを増長させ、戦争への道を開いたことや、中国は「水に落ちた犬は叩け」の、嵩(かさ)にかかってくるお国柄であることを思い出し方がいい。
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