内容紹介
「日本は太平洋戦争で敗れはしたが、そのかわり何ものにもかえ難いものを得た。それは、世界のどんな国にも
真似のできない特別攻撃隊である。代償を求めない純粋な行為、そこにこそ真の偉大さがある」
──アンドレ・マルロー(フランスの作家、文化大臣)
「特攻隊は世界の戦史に見られない愛国心の発露であった。今後数千年の長期にわたって語り継がれるに違いない」
――バー・モウ(ビルマ初代首相) 「はじめに」より抜粋
本書は、大東亜戦争末期、必死必殺の特攻兵器をもって国家の危急を救わんとした殉国の血潮に燃えた
青年たちの勇気と自己犠牲の記録である。
日本は昭和十六年十二月八日、自存自衛と大東亜共栄圏の理想を実現するべく、日本を戦争に追い込んだ
欧米諸国に立ち向かったが、これは十三世紀末に「元寇」がアジアと西欧に与えた衝撃とは質を異にする
衝撃をもたらした。
白人不敗の神話を崩壊させた日本軍は、わずか半年余りで、東南アジア全域を西欧列強の植民地支配から
解放した後、東南アジアの各地に独立義勇軍を結成して軍事訓練を施し、敗戦後に展開された
「第二次大東亜戦争」とも言うべきアジア諸国の民族解放戦争と民族独立運動に契機を与えていくのである。
だが、開戦以来、武運に恵まれていた日本軍も、やがて米軍の反撃の前に次第に守戦に立たされるように
なっていった。
この時、劣勢な戦局を挽回するために、敵艦船に対する熾烈な特攻攻撃が展開された。
戦後の日本では、「特攻を最大の罪悪の一つと見立てて、絶対服従を強要する上司の命令のために、
いやいやながら死んでいった若い将兵たち」という誤った見方が生まれ、彼らを哀れな戦争被害者とする
風潮があったことは、実に残念なことである。
特攻の真相は決して、そのようなものではなく、戦没海軍飛行予備学生の遺族会理事長、杉暁夫氏も、
「私達の常識ではとても想像もつかないような完全な“滅私"を神風特攻隊員の一人一人が実践してみせたのである」
「ただ一途に、祖国の危機の前に敢然と立ち向かった若い特攻隊員達の悠久の偉功を決してないがしろにしてはならない」
と述べているように、特攻こそは、欧米諸国の植民地化を恐れた、殉国の血潮に燃えた青年たちが劣勢な
戦局を挽回するために行った愛国心の発露であり、また実際の戦果も戦後、米軍が公表したものよりも、
遥かに大きなものだったのである。
米・英・仏などでも、神風特攻隊に関する書物が数多く刊行され、特攻に対して高い評価を与えているにも
かかわらず、「かつて味方であった日本人が味方であった日本人を愚弄したり、揶揄したり、嘲笑している」のが、
戦後の日本の特徴であると言ってもいいだろう。
本書は、こうした特攻批判(特攻は命令・強制だった、特攻を美化してはならない)と、戦果の問題(戦果は小さい)
に対して、あらゆる証拠をもって反論を展開している。
出版社からのコメント
豊富な資料と数々の証言によって、戦後封印された「カミカゼ」の真実を解き明かし、
世界に誇る「特攻」の真の意味を問う。
「カミカゼは軍隊における統率の極致である」
──ゲレット・T・マルチンス(ブラジル海軍大佐・日本駐在武官)
「カミカゼは、第二次世界大戦中に日本が開発した最も有効な兵器であった」
──米国戦略爆撃調査団(USSBS)