頑固親爺の徒然手記(難問解決への道標)

現役を引退した頑固親爺が、法治国家において法で解決できない問題が山積している現代社会に本音で迫り、問題解決策を模索していくブログ。難問を抱え込まないで相談にも応じます。

 人事の難しさ

 T文化科学相が、前I東京都知事を「暴走老人」と称しておきながら自らが「暴走大臣」と指摘されて激怒しているようであるが、同氏の言動、身勝手さは今に始まったものでない。
 大臣就任後、勇ましく来春の開校を予定している3大学の認可を拒否する旨公言しておきながら、多くの批判を受けると簡単に覆した様は、まことにお粗末極まりなく大臣としての権威と品格を損なう醜態である。
 大臣の意図することは理解するが、功を焦り手順を誤ったから能力不足と言える。
 そして、夫である前防衛相が醜態を曝してからまだ間がなく、夫婦で大臣に就任するといった誰もが成しえなかった誉を恥と化し、見事に任命権者の期待を裏切った。
 いずれにしろ、I氏もT(女)氏も似たり寄ったりであることに間違いがない。
 ところで、代議士になっても大臣の要職に就ける者は一握りであるし、必ずしも実力や能力があるから大臣になれるわけでもない。
 もしかしたら、能力や実力以上に神のみが知る「運」がなければならない。
これは、政治の世界だけでなく、いかなる組織においても人事が伴うとそこに実力や能力以上の「運」が大きなウエイトを占めるし、「情」が絡んでくる。
 
 人事の難しさは、古今東西、過去・現在・未来において、人事権を持つ者の永遠の課題である。
 任命権者より優秀な人材を登用する賢者もいれば、絶対に自分を超える能力ある人材を登用しない愚者もいる。
 任命権者は、全てのことに秀でているわけでないから、自らが弱点とする分野には、自分以上の能力を有する人材を登用していくのが理想である。
 また、人事に個人的感情を導入すると、必ず失敗し、そのつけは自分に跳ね返ってくる。
 独裁者でいるか集団指導体制とするかによっても、人事の内容は変わる。
 しかし、人事権を有することは権力者の証であり、その立場になるまでは人事の重要性を理解していながら、いざ、権力者になると誤ってしまう者が大多数である。
 そうした人事を嫌というほど見てきたし体験もした。
 左遷人事を不遇とせず、むしろ糧とすることが出来たのが今となっては幸せである。
 理想の人事は、人事権者の期待と信頼に応えることが出来る人材を登用することであり、人事で失敗したら潔く非を認め、かつその地位から身を引くことが常識である。
 それぐらいのことは人事権を有する権力者は覚悟しなければならない。
 そうした意味で、総理大臣は何かを見誤ったようである。しかも、同じ過ちを繰り返したのだから救いようがない。
 アメリカを二分した大統領選挙後のオバマ大統領の人事や中国共産党の次期指導者の人事に注目しているが、それほど素晴らしい人事にはならないだろう
このページのトップへ
赤字国債発行法案の成立の先 
 
 今、国会は特例公債法案の成立に躍起になっている。
 平たく言えば財政法で原則禁止されている国債の発行を例外的に認める法律を可決しようとしている。
 原則に従わないで例外を認める法律を制定してまで国債を発行する意味は、収支のバランスが崩れて財政破たんを起こしていることを意味している。
 もっと解かり易く言うと、ペーパーマネーと呼んでも過言でない紙幣を我が国で唯一の発券銀行である日本銀行で印刷することを認め、奨励する法律を制定しようとしている。
 財政法が形骸化しているのであって、総理自らが「誰が総理になっても赤字公債を発行しないと財政運営は出来ない。」と断言しているが、金融危機や財政難に遭遇すれば結局は紙幣を刷ればよいという考えである。
 この法律が制定しないと、道府県に地方交付税が交付されなくなり、地方公共団体が金融機関から借金することを強いる結果となっている。
 「将来の子供たちに借金を残さない。」等と綺麗ごとを言っていながら、この赤字国債(公債)は年々増え続けていて、財務省資料によると、その残高は709兆円、平成24年度の一般会計税収が42兆円であるから約17年分に相当する。
 これを国民一人当たりにすると554万円、4人家族で一世帯2、214万円の借金をしているのであるから驚く数字である。
 
 そこで、赤字国債の累増をなくして赤字を解消することが出来るのか・・・・・・・・・????
 おそらく赤字はなくならないで今後も増え続けることに違いないし、多くの国民はこのことに関して全くと言っていいほど危機感を持っていない。政治家も同じである。
 
 毎年、税収が減少し、その一方で福祉や医療、高齢者の年金支給などが増加する中で、増税反対を訴える国民が多数いる我が国において、おそらく毎年赤字国債は発行され続けることは間違いない。
 紙幣だけが出回り、国際的に円の信用度が低下して、遂には本当の?財政破綻となることは必至である。
 
 著しい高度経済成長によって、世界一安全で大多数の国民がほぼ平等に一定の裕福さを享受できる日本が沈没する。
 世界一の貯蓄額を誇る我が国も、一世帯平均の貯蓄額が年々減少してきて、平成22年は1、078万円に減少している。
 総貯蓄額が赤字国債を上回っていたから、かろうじて世界からの日本の信用は保持出来ているが、これが年々逆となり赤字国債額が膨らみ続け、将来の子供に借金を残さないといった次元の問題でなくなってきている。
 特例公債法案を可決して紙幣の印刷・発券で当面の窮地を凌いでも、本当の対策をとらないと日本が沈没する道を辿るしかない。
 政治家をはじめ、政府や国民みんなで考えなければならない大きな課題である。
このページのトップへ
 首長選挙に立候補表明

 アメリカでは大統領選挙が行われ現職のオバマ氏が再選を果たした。
 前評判では接戦が予想されたが各候補が獲得した選挙人数でかなりの差がついた。
 これは選挙制度から生じる結果で実際は大国を二分した激しい選挙戦であったように思われる。
 
 また、メディアを介してみている4年に一度行われる大統領選挙は、選挙期間が長く潤沢な選挙資金を使って、半ば「お祭り」騒ぎのように映るのは頑固親爺の偏見によるものなのだろうか。
 こんなことを言うとアメリカには失礼であって、我が国の選挙制度、国民性と大きく異なり、比較すること自体が間違いなのかもしれない。

 ところで、この度、知人のO氏が首長選挙に立候補することを表明した。
 O氏は知人であることに変わりはないが、この30年間、実の兄弟以上に親しくしてきた同じ主義主張を持つ同胞でもある。(意見は常に対立)
 今から30年前、同じ職場で僅か半年間一緒に仕事をした。当方が課長、O氏は係長の上下関係であったが、それ以来30年間も親交している。
 二人の共通点は、過疎地の山深い山村で生まれ育った環境と強い郷土愛、情熱家、歯に衣を着せない言動、媚びへつらうことを嫌う、信念を持ち続けている、価値観が共通するなどが挙げられる。
 O氏を引き合いにして自画自賛しているわけでなく、お互いに人間であるから欠点も多くあるが、O氏は選挙を控えているから欠点は明らかにしないことにしよう。

 O氏には、これまで政界へ転出する機会が幾度となくあったが、その都度相談を受けて政界への転出を阻止し続けてきた。
 それは、O氏自らが選んだ仕事を天職として全うして欲しいという思いがあったからである。
 しかし、今回の立候補表明は定年退官をした後のことで、O氏が長年描き続けてきた夢を実現する決意をされたのであるから反対する理由がない。
 今年の3月頃、O氏や同胞が退官されたのを機会に祝いを兼ねて杯を交わして以来、全く疎遠にしていたが、10月の末日にO氏から携帯電話にメールが届いた。
 
 「腹を固めたから宜しく」という短文であり、これに対し「頑張れ」と短文で返信した。
 たった、これだけの内容で、その数千倍、数万倍に匹敵する文章や会話と同等の意志の疎通を図ることができる仲である。
 よって、どうのこうのといった会話は未だしていない。
 O氏は県内の進学名門校を経て京都の大学で勉強して一時は司法試験を目指した経歴がある。
将来の幹部候補生として採用され、その期待に応えて着実に幹部への道を歩んでこられたが不思議と頑固親爺の歩んだ道をなぞるように歩んでこられた。
 組織の中では、二人の仲を妬んでか、いろいろと揶揄されたこともある一方で、必ずしも仲がよいことはなく、口角泡を飛ばして激論したことも度々ある。
 語学力に優れ外務省に出向してニューヨーク日本領事館領事も経験されている。
 O氏は、まさしくサラブレッドであって、政治家の血統であると思う。
 選ばれし者であり、そして表舞台に立ってさらに力量を発揮する逸材である。

 歌の歌詞ではないが、頑固親爺は、目立たぬように、はしゃがぬように、似合わぬことは無理をせず、人の心を見つめつづける時代おくれの生き方に徹しているが、O氏は世のため人のためにさらなる精進をしようとされている。実に素晴らしい。

 立候補されたからには、当選して夢を実現して欲しいと願う。
 選挙は来年の2月10日告示、17日投票である。
 
 歌の歌詞の続きで、昔の友にはやさしくて、変わらぬ友と信じ込み、あれこれ仕事もあるくせに自分のことを後にして・・・・・・・でも最大の応援しようと思っている。
このページのトップへ
金の亀に乗る聖観世音菩薩

11月3日の文化の日は、各地で文化に関する催物が開催された。
国宝彦根城のある彦根市では、「小江戸彦根のお城祭り」が開催されたようで、城主・井伊家の赤鬼家臣団に扮した俳優らが朱色の甲冑装束に身を包んで市内をパレードしたと報じられている。
このパレードには、時代絵巻ならぬ全国的に有名になったゆるキャラ「ひこにゃん」らも多く参加したようである。

主催者にクレームをつける気持ちはさらさらないが、京都の時代祭など歴史ある祭礼は純粋に「時代絵巻」が再現されるが、観光客集めの催物は時代考証など関係がなく人気者のゆるきキャラを集客の一手段として有効に活用しているようである。
春夏秋冬、いつも縫いぐるみを着ている人(公務員?)は本当にご苦労さんである。

さて、彦根城は別名金亀城とも呼ぶが、その由来は彦根城が築城されている彦根山にあった彦根寺(現在は北野寺)に安置されている聖観世音菩薩像が金色の亀に乗っていることにあり、彦根城が所在する一帯は、住所表示も金亀町とされている。
徳川家康が関ヶ原の戦いで戦勝して天下統一をする手始めに、戦いで功労のあった徳川四天王の一人である井伊直政に18万石をもって近江国北東部の領土を統治するように命じた。後に、井伊家は譜代大名では最高となる35万石となっている。
彦根の地には敵将であった石田三成の居城、佐和山城があったが、この佐和山城に入城することを嫌った井伊直政は、別の場所に居城を計画して現在の彦根山に城を築いた。
といっても井伊直政は戦争の傷で死去したことから、その遺臣の木俣守勝が徳川家康と相談し、それまで建立されて約900年の歴史を有する彦根寺を別の場所に移築し、その跡地に現在の彦根城を築いた。

移築された寺(彦根寺)は、今は北野寺と命名されて彦根城の西方の位置、北野神社の横に静かに立っているが住職や檀家など一切ない。
同寺は近江西国観音霊場14番札所として信仰の対象とされているが訪れる人も少なく一見して荒れ果てている。

飛鳥・奈良時代の西暦700年ころ、時の女帝・元明天皇の勅願によって建立され、その守護仏として祀られているのが金の亀に乗った聖観世音菩薩像で、大きさは5.5センチほどの小さな像である。
史書によると、失目した僧が寺に立て籠もり三日で目が見えるようになった、耳が聞こえなくなった貴族が祈祷によって治ったなどの話がある。
彦根寺には都から多くの人が信仰の寺として参拝したようで、彦根山から南方へ通じる道(現在はベルロードと呼んでいる。)は巡礼街道の名前を残している。

信仰の寺を移築してまで、天下人は城を築いて権力を誇示したのであるが、罰があたることなく徳川家とともに栄えた井伊家も直弼が桜田門の変で殺害される運命を辿ることになった。
非科学的ではあるが、聖観世音菩薩がお怒りになってのこと・・・・・

小江戸彦根お城祭りには、主催者の発表で5万5千人が参加したようであるが、この北野寺の聖観世音菩薩像にお参りした人は、はたして何人いたのだろうか。
中国人同様、無宗教の日本人が多くなってゆるキャラをスマートフォンで撮影して騒いでいる人は多くなったが感謝の気持ちをもった人がすくなくなっているように思う。
このページのトップへ
 「先を読む」力は

 前東京都知事が火を点けた尖閣諸島の領有権問題は、日本経済に大打撃を与えているようであるが、「先を読む」でないが、こうした時がいずれは来るだろうと予測していた。
 我が国の優秀な企業のトップが「先を読む」能力がなかったとしたら、それは経営者としては失格であろう。
今朝のS社の記事に、「中国政府は国内向けの成果をアピールするのに躍起」と題して北京から記事が配信されている。
 言わずと知れた尖閣諸島周辺での領有権問題に関しての記事で、中国政府は「中国領海内で不法な活動をしていた日本の船を領海から駆逐した。」と強調しているようである。
 この記事を読んで、「中国は焚書坑儒でしか国内を統治出来ない国」と評した中国で活躍中の日本の女性フリージャーナリストの言が真に的を射ていると再認識した次第である。
 中国の秦王朝時代に、医学、占い、農業に関する書以外の全ての書物を焼き払い、儒学者を生き埋めにする思想弾圧事件を犯している。
 過去の負の遺産ということも出来ようが、しかし、この思想を弾圧する手段は時代が変わった現代においても同じである。
 真実を正確に国民に伝えないで、誤った情報によって国民を支配する姿勢、発想は秦王朝時代と全く同じで少しも変わらない。
 
 中国政府が行っている焚書は、インターネット上に氾濫する情報(特に海外から発信される情報)を如何に国民に知らせないように規制するかであろう。
 そのためには、半日感情を鼓舞するような虚偽の内容を、他に先駆けて早く報道することである。
 
 次に、坑儒は日本製品の不買行為を扇動して、日本企業を生き埋めにすることである。
この現代版の坑儒の被害者が自動車や電機産業であると考える。

 中国の歴史と数千年の間に培われてきた中国文明、そして中国人の民族性が変わることはあり得ない。
 平和な時代には天然資源が許す限りの人口増加がおこり、気候変動や権力闘争をきっかっけに内乱が起き人口が激減することの繰り返しをしてきたのが中国の歴史である。
 歴史は繰り返すのである。

 現代版の焚書坑儒を予測する、推理するのが「先を読む」であって、中国民族や中国の歴史を学んで将来への備えをしておけば、今更、企業が慌てることはなかったのでないか。
 企業の中には、優秀なトップが先を読んでおられる方もおられ、そのような企業は慌てることなく冷静に、着実に業績を伸ばしているのだろう。
  このページのトップへ

FC2Ad

FC2ブログ

Information

甲賀の"ういたかひょうたん狸"
  • Author: 甲賀の"ういたかひょうたん狸"
  • 1948年1月生れ
    長年、公務員として奉職し定年退職
    コンサルタント会社オフィース”K”代表
    地方公共団体、道路管理、警備業等の顧問、セキュリティーアドバイザー、相談役経験
    社員教育、公判対策、各種問題解決、対外交渉、リスク管理、コンプライアンス等幅広く担当
    「生涯現役」が信条
    法的な解決だけでなく、日常生じる「難問」を抱える企業等の要望に対応、奮闘中

     

Search

Calendar

10 « 2012/11 » 12
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

 

プロフィール

Author:甲賀の"ういたかひょうたん狸"
1948年1月生れ
長年、公務員として奉職し定年退職
コンサルタント会社オフィース”K”代表
地方公共団体、道路管理、警備業等の顧問、セキュリティーアドバイザー、相談役経験
社員教育、公判対策、各種問題解決、対外交渉、リスク管理、コンプライアンス等幅広く担当
「生涯現役」が信条
法的な解決だけでなく、日常生じる「難問」を抱える企業等の要望に対応、奮闘中