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政治
【酒井充の政界××話】虚言と言い訳の真紀子文科相
強まる野党の罷免要求に恐れをなしたのか、「関係者の皆さんにご心配ご迷惑かけたことについて心からお詫び申し上げます」と謝罪したのは9日の記者会見だった。
田中氏と同じく往生際が悪かったのが藤村官房長官だ。田中氏は野田内閣の総意として不認可と主張したのに、藤村氏は6日午前の記者会見で「文科相が最終的に判断することだ」と逃げた。同日午後の会見では、田中氏について「どこにどう責任があるのか」と開き直った。藤村氏によれば、田中氏は何の責任もなかったのに謝罪したことになる。
藤村氏は7日の衆院内閣委員会で、途中でルール変更を図ろうとした田中氏について「マラソンで言えば42キロぐらいに来たらゴールがなくなったような状態では困ると申し上げた」と語った。「申し上げた」相手は田中氏ではない。事前に報告を受けて何の異も唱えなかったのに、文句は文科省の官僚に伝えたのだという。あまりにも姑息だ。
暴力団関係者との交際などで辞任した田中慶秋前法相のときと同じだ。辞任前、野党の追及から逃げるため、政府・民主党は国会の答弁拒否という憲法違反を犯してまで前法相をかばった。そして藤村氏は辞任理由を「病気だから」と言い通した。とんだ三文芝居だ。
首相も逃げた。8日の衆院本会議で、野党議員に田中氏の責任について聞かれているのに「大学の質の向上を図っていくことは重要な課題だ」と見当違いの答弁しかしなかった。首相には、もはや日本語さえ通じなくなっているようだ。
崇高な理想に反し、「人の心の痛みが分からない」としか思えない田中氏の言動は今に始まったことではない。一連の騒動で9年前の出来事を思い出した。
平成14年8月に公設秘書の給与流用疑惑で議員辞職した田中氏は、15年11月の衆院選で再起を期していた。自民党に離党届を出して無所属で立候補した田中氏は「無所属連合による政界再編」を目指し、地元の新潟5区以外にも無所属候補の応援演説に駆けつけていた。
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