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政治
【酒井充の政界××話】虚言と言い訳の真紀子文科相
設置審見直しや大学不認可は個人の見解ではないという。「認可の仕組み自体を変えることに、この内閣になって進めている」と述べ、野田内閣の総意であることを強調した。
丁寧なことに「首相、(藤村修)官房長官にはご相談、ご報告はしている。『そうすることは大変結構だ。私もかねがねそう思っていました』というのが官房長官のお答えでしたし、首相からは『そのまま進めてください』という言葉を直に頂いております」と語り、お墨付きを得たことをアピールした。
約20分の記者会見を終えた数分後、何が楽しいのか、田中氏は笑顔で記者会見の場に戻ってきた。
「肝心なことを言わなかったので、誤解を与えた。(報道陣が)あんまり大勢でびっくりしちゃった。次々聞かれたから…」
びっくりしたのは会見場にいた記者だろう。意味不明の釈明が続いた。
「全部不認可と思われたのですね? そうではありません。新しい基準で、その基準の中身を言おうと思ったら皆さんから質問が来て混乱しちゃったんですけれど、混乱はしてませんけれども、改めて見直し後の基準に照らして検討します」
要は3大学の認可に含みを持たせたかったようだ。最初に言わなかったのは報道陣の責任だという。だが、最初の会見を聞いて「誤解」するはずがない。田中氏は「古い形の決め方で決まったのは認めない」とも明言していた。「3大学は不認可」の方針は変えないと受け止める以外の解釈があるのだろうか。
往生際の悪さは7日の衆院文科委員会でも続いた。午前中の野党議員らの追及に対し、田中氏は「事務方がちょっと真意をくみ取れずに誤解を招いた」と答えた。外相時代にみせた官僚への責任転嫁だ。
「いろいろ誤解があるようだが、現時点では不認可という処分を行っているものではない。これが、こんがらがってきているというか、誤解を、誤解を…」と苦しい弁明を続けたが、午後になると「慎重に検討したい」と軟化した。そして委員会終了直前に川内博史委員長に発言を促され、「3大学の新設は諸般の事情も鑑み、現行の制度にのっとり適切に対応する」と方針を転換した。記者団には「3校を認可する」と明言し、こう続けた。
「設置のあり方の見直しは、かなりの方が賛成していると分かった。これが私が一番知りたかったことだ。文科相に就任したときに(大学設置のあり方は)絶対(に見直したい)と思っていた…」
先述の通り、自らの不作為を棚に上げ、個人的に知りたかったことのために3大学を翻弄したわけだ。その後訪れた首相官邸では3大学について記者団に、こうも語った。
「今回逆にいい宣伝になって、4、5年間はブームになるかもしれない」
繰り返すが、田中氏は「人の心の痛みのわかる政治」を原点としている。
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