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政治
【酒井充の政界××話】虚言と言い訳の真紀子文科相
虚言癖は野田佳彦首相だけではなかった。来春開校予定の3大学をめぐる認可・不認可騒動を起こした田中真紀子文部科学相だ。
石原慎太郎前東京都知事を「暴走老人」と称しながら、自身が「暴走大臣」と指摘されると「個人攻撃だ」と怒る田中氏。政治の原点は「人の心の痛みのわかる政治」と豪語しているようだが、記者会見の内容を平気で覆し、正当化する姿は本当に見苦しい。
経緯を改めて振り返る。田中氏が秋田公立美術大、札幌保健医療大学、岡崎女子大の3大学について「残念ながら認可するわけにはいきません」と明言したのは2日の記者会見だった。
3大学は、文科省の大学設置・学校法人審議会(設置審)が来春の開校を認可する答申を行っていた。だが、田中氏は設置審のあり方に疑問を持ち、幅広い分野の人材で構成して「抜本的に見直す」と語った。従って現在の制度で答申された3大学は認可できないとの理屈だ。田中氏は「結論を下した」と、最終結果であることを強調した。
設置審のあり方を見直すという田中氏の主張に理解を示す向きもある。だが、その本気度も疑わしいことは6日の記者会見で自らが証明した。
田中氏は「かねがね大学を設置する仕組みに問題があると思っていた」と語った。「大学の乱立に歯止めをかけて教育の質を向上させたいのが真意」という。
10月1日に文科相に就任した田中氏は、同月26日に初めて官僚から3大学のことを聞いたと説明した。田中氏の言葉を借りれば「以前から教育に規制緩和することがいいことかずっと考え、勉強もしてきた」のに、就任から3週間以上も何も行動を起こさなかったわけだ。なんという怠慢だろうか。
大学認可が焦点なのに「個別にどの大学がどうとかは全然考えていない。落ち度なんて言う細かいところまでは分からない」という。3大学への進学を検討している人たちについては「かわいそうじゃないかとか、急じゃないかとかいう意見があるようだが、それにはあたらない」と言い切った。
田中氏は2日と6日の会見で、秋田、札幌、岡崎の3大学名を一切口にしていない。個別の大学関係者や、進学を予定していた人たちのことには本当に関心がないのだろう。
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