アストロズ松井をリストアップ！！　来季からＤＨあるア・リーグ移行

　【インディアンウェルズ（米カリフォルニア州）穐村賢】来季、ナ・リーグからア・リーグへ移るアストロズが“マツマツコンビ”獲得に名乗りを上げた。ＧＭ会議２日目の８日（日本時間９日）、アストロズのジェフ・ルノーＧＭは、松井秀喜外野手（３８）＝前レイズ＝、松坂大輔投手（３２）＝レッドソックスからＦＡ＝の両選手を補強選手としてリストアップしていることを明らかにした。松井に関してはＤＨ制となるア・リーグで実績のある打者として、松坂に関しては先発ローテの５番手として獲得を検討しているという。

　１チームのリーグ移動で、松井にメジャー生き残りのチャンスが生まれた。来季からＤＨ制のあるア・リーグで戦うアストロズのルノーＧＭは「ア・リーグに参入するわれわれにとって、ＤＨは重要な補強ポイントなんだ。ＤＨとして松井の獲得を検討しているよ。プレーする機会からは少し離れているが、彼は今でもわれわれが必要としている得点を生み出す能力のある選手だと思っている」と力強く話した。

　１９９７年後半から２００５年までポストシーズンの常連だったが、主力が抜け、若手主体のチームは今季１０７敗と、２年連続で球団ワースト記録を更新した。同ＧＭが熱く「経験」と語るのもうなずける。「うちのチームは若い選手、経験不足の選手が多い。そこで松井のような成功した経験を持っている選手に興味があるんだ。彼なら必ず若手選手の助けになってくれるはずだから」。プレーのみならず、松井がメジャー１０年間で見せてきた勝利に貢献しようという姿勢も大きく評価されている。

　松井が外野を守れるということも大きな強みだ。同ＧＭは「ＤＨ専任の選手は、あまり考えてはいない。内野陣には満足しているので、右翼、左翼を守れ、ＤＨに入る選手を探している。そういった点でも松井は条件に合致する」と力説。膝の故障を乗り越え、１１年に２７試合、１２年には１３試合で外野守備に就いたことも、今回のリストアップにつながった。

　今季は４月末に結んだマイナー契約からはい上がり、メジャーでプレーするチャンスをつかんだ松井だが、７月末には戦力外通告を受け、それ以降は浪人状態だった。日本復帰や引退がささやかれる中、メジャー球団が獲得に興味を示したことで、松井に一筋の光が見えたことは間違いない。