善意がアダに!? 広島経済大学の学園祭の目玉、ロックバンド「マキシマムザホルモン」のライブ中、2500人の会場の最前列にいた1人の観客が人の波に押し潰され、前の柵との間でのどを圧迫し失神。目撃した学生ら十数人が一斉に通報したため、消防車15台、救急車9台が出動する大事態となってしまった。
4日午後3時ごろ、学生やバンドのファンが屋外の会場で熱狂する中、女性ファンが失神。複数の学生が、学園祭実行委員に「具合が悪い人がいる」と伝えたり、本部に連絡したため、20人近い負傷者が出たと勘違いした実行委の学生が119番通報した。
同大は「50人ほどいる実行委員は持ち場ごとに散らばっていた。会場が超満員で中に入って実際に負傷者を確認することもできず、委員同士はインカムでやり取りしていたため、情報の数だけ負傷者数が膨らんでしまった。負傷者を保健室に運び入れて状況を把握してから通報するなど、連絡経路を集約する必要があった」としている。
結局は、倒れた女性も「救急車に乗るほどではない」と搬送を拒否したという。
目の前で人が倒れるのを目撃し、通報しなければならない事態は、いつでも起こり得る。そこで目撃者全員が一斉に通報し、かえって情報が錯綜してしまうことにもなりかねない。だが、見ず知らずの者同士がその場で相談し合って、通報を一本化しても、それだけでは“誤報”があるかもしれない。
広島市消防局予防課は「確かに通報が集約されるのはありがたいことだが、第一通報者が『20人倒れた』といえば、我々は20人分の準備で対応するほかない。また、『交差点で人が倒れている』という通報も最近はGPS(全地球測位システム)機能で場所が特定できるので、同じ場所からの入電が相次げば、同じ案件かどうか確認できる」と指摘する。
公共の場で目撃者になった場合には、人任せにせず、冷静に正確に通報するのが一番よさそうだ。
1980年代にファンを熱狂させた「おニャン子クラブ」の初期メンバーで“元祖秋元アイドル”国生さゆりが当時を振り返りつつ、「アイドル戦国時代」に斬り込んでいく――。