特集ワイド:橋下氏、大阪府知事3年10カ月、大阪市長11カ月 「弱者切り」と言われてもしょうがない

毎日新聞 2012年11月08日 東京夕刊

 権田さんは「街デイ」の事業者団体の代表も務める。補助金廃止反対の署名約5万人分を集め、橋下氏にも直接現状を訴えた。「あれから4年が過ぎて、街デイをやめた方もいるし、『利用者を思えば、やめるにやめられない』という相談も受けています」。府内(政令市、中核市を除く)で最大137あったが、昨年度は109に減った。

 「大阪府の財政状況が厳しいのは分かるが、資金面を個人でやりくりするには限界がある。このままでは街デイはさらに減少する。そうなれば、高齢者の居場所がなくなってしまう。介護保険を使わないで済むようにできる施設なのに」と訴えた。

 団塊世代が高齢化を迎えつつある今、「街デイ」の重要性はさらに増しているように思えるのだが。

      ■

 橋下知事が市長に転身して以降、やはり「居場所」が壊されそうな事例がある。

 大阪市西成区萩之茶屋。日雇い労働者が各地から集まるいわゆる「あいりん地区」だ。「一泊1000円」と書かれた簡易宿泊所の看板が並び、ダンボールの山などをリヤカーで引く男性が行き交う。

 そのあいりん地区にあるのが民間施設「こどもの里」。午後4時過ぎ「ただいま!」という元気な声とともに、ランドセルを背負った子どもたちが入ってきた。宿題をしたり、おやつを食べたり、大広間でスタッフとはしゃぎ回ったり……。中にはスタッフを「お母さーん」と呼ぶ子も。

 「こどもの里」は、0歳から18歳まで誰でも来られる子どもたちの居場所だ。1977年に開所し、現在は近所の児童ら約100人が利用登録している。おやつ代など実費はかかるが、利用料は無料だ。

 「こどもの里」は、大阪市が実施する「子どもの家事業」として補助金を受けている。子どもの家は市内に28カ所あり、登録者は今年4月時点で約1800人。

 これまでは1施設につき年間約450万円が補助されていた。しかし、橋下市長が5月に打ち出した市政改革プランで、2014年度から子どもの家を、1月あたり平均約2万円の利用料が必要な学童保育にすることが決まった。これにより市の事業費は6700万円削減でき、補助金は半額程度になる見込みだ。

 橋下市長は「同じような事業なのに(無料なものと有料があり)不公平。補助金制度としておかしい」と理由を語る。

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