ひこにゃん訴訟:権利は彦根市に帰属、原作者らと和解へ
毎日新聞 2012年11月07日 21時55分(最終更新 11月07日 23時21分)
滋賀県彦根市の人気キャラクター「ひこにゃん」の類似グッズ販売を巡り、同市が原作者や製造・販売業者を相手取り約2870万円の損害賠償を求めていた訴訟で、同市は7日、大阪地裁(谷有恒裁判長)が示した和解案を受け入れる方針を明らかにした。原作者らも和解案を受諾する上申書を地裁に提出しているという。
同市はひこにゃんのイラストについて商標権と著作権を保有しており、裁判ではひこにゃんのイラストから派生したグッズや絵本などを作る権利が市と原作者のどちらにあるかが争われた。和解案は、▽グッズなどを作る権利は市に帰属させる▽原作者側がつくった、ひこにゃんに似た「ひこねのよいにゃんこ」商品の製造・販売を禁止する▽業者側は計370万円の解決金を支払う−−などの内容。市は19日の臨時市議会に和解議案を提出し、議決が得られれば22日に和解が成立する見通し。
ひこにゃんを巡っては07年11月、考案した図柄以外のグッズが出回っているとして原作者が調停を申し立て、「座る」「跳ねる」「刀を持つ」の3ポーズに限り市側が使用できることなどで合意していた。しかしその後もぬいぐるみの扱いなどを巡って両者が対立していた。
同市の獅山向洋(ししやま・こうよう)市長は「市側の主張が大筋で認められたと受け止めている。ひこにゃんは権利関係の範囲内で地域キャラクターとして活躍してほしい」と話した。【石川勝義】