Updated: Tokyo  2012/11/09 19:31  |  New York  2012/11/09 05:31  |  London  2012/11/09 10:31
 

米国防総省、中国による重希土類の採掘独占の打破目指す

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  11月7日(ブルームバーグ):米国防総省とトヨタ自動車は、最も貴重な種類のレアアース(希土類)について、中国による採掘の独占を打破しようとしている。これらの希土類は無人飛行機や電気自動車のモーターに利用されている。

米国防総省とトヨタ自動車はカナダの鉱山会社ユーコア・レアメタルズマタメック・エクスプロレーションズ と共に取り組みを進めている。ユーコアとマタメックは北米で鉱山を開発しており、重希土類の供給拡大につながる可能性がある。重希土類は風力タービンのほか自動車や武器の高性能磁石に利用されるが、希土類のうちでも供給が少ない。

中国は国内向けの供給確保などを理由に2010年に希土類の輸出を削減。これを受け、各国の実需業者は代替供給国を探している。中国は現在、世界の需要の約95%を供給しており、この割合は1990年以降3倍に拡大。次世代の風力タービンや環境への影響の少ない照明技術を開発する中国国外の企業にとってリスクとなっている。

エネルギーと安全保障の関係について調査する世界安全保障分析研究所のシニアフェロー、ジャック・リフトン氏は「重希土類の供給が安定していなければ、製造業者は何かを製造する決定を下せないだろう」と指摘。「米国で重希土類の供給が安定していれば、ゼネラル・エレクトリック(GE)は国内で磁石を製造することを決めるかもしれない」と述べた。

米テクノロジー・メタルズ・リサーチの共同創業者、ガレス・ハッチ氏によると、世界で開発が提案されている希土類鉱山400カ所以上のうち重希土類が十分に埋蔵されており、生産に向け確実に開発が進んでいるのはわずか5、6カ所にとどまっている。

原題:Pentagon Challenges Chinese Monopoly on Rare Earths:Commodities(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:New York Lydia Mulvany lmulvany1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Simon Casey scasey4@bloomberg.net

更新日時: 2012/11/08 10:42 JST
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