高齢社会に突入した韓国で、生活習慣病の代名詞ともいえる糖尿病患者が急速に増加している。
大韓糖尿病学会が2010年に実施した調査では、韓国の65歳以上人口の5人に1人に糖尿病の症状が出ていることが分かった。糖尿病の前段階とされる空腹時高血糖まで合わせると、高齢者のほぼ半分(47.4%)が糖尿病患者かその予備軍となっているのだ。
同学会は8日「2012年韓国人糖尿病研究報告書」を公表し、上記の内容について明らかにした。報告書によると、2010年の時点で国内に居住する30歳以上の成人10人に1人(10.1%)が糖尿病患者だった。その割合は年齢が高くなるほど増加し、65歳以上だと22.7%に達していた。
この調査結果に基づき、学会は現在、国内の糖尿病患者の数を320万人と見込んでおり、2020年には424万人、50年には591万人にまで増加すると予測している。成人全体の糖尿病有病率は01年8.6%、05年は9.1%だったが、その後の増加の流れから推測すると、上記の患者数が算出されるという。
糖尿病とまではいえないが、食事で高くなった血糖値を通常のインシュリン分泌だけで抑制できず、長時間にわたり血糖値の高い状態が続く空腹時高血糖も増加している。これは糖尿病直前のいわば潜在患者であり、高齢者の4人に1人にこの症状が認められる。45-64歳の中高年の糖尿病患者は11.9%だが、空腹時高血糖はその2倍の22.9%だ。国内の30歳以上の全成人を対象にした場合、10人中3人(30.0%)が糖尿病か、その前段階の空腹時高血糖となる。具体的な数で見ると、糖尿病患者320万人に前段階の640万人を合計すると、およそ1000万人に糖尿病の症状が見られることになる。
これらの原因として学会は、糖尿病リスクが高まる高齢人口の増加と肥満の急増、運動不足、脂肪の過度な摂取、ストレスなどを挙げている。
糖尿病で怖いのは合併症だ。症状が出たのに管理や治療を怠り20年間放置した場合、人工透析が必要な慢性腎不全、失明、認知症などの合併症が表れる。現在の状況はすでに糖尿病大発生という事態の直前だ。大韓糖尿病学会のチャ・ボンヨン理事長(ソウル聖母病院内分泌科)は「糖尿病は急増しているが、その多くが糖尿病にかかっていることを知らないまま合併症を誘発している。糖尿病は高齢社会に直面した韓国人の健康を脅かす最大の保健・医療問題になっている」と述べた。