尼崎連続変死:李被告、被害側から一転 激しい暴力

毎日新聞 2012年10月22日 15時05分(最終更新 10月22日 15時30分)

3人の遺体が見つかった民家=兵庫県尼崎市で、川平愛撮影
3人の遺体が見つかった民家=兵庫県尼崎市で、川平愛撮影

 兵庫県尼崎市の民家の床下から3人の遺体が見つかり、多数の行方不明者が出ている事件に絡み、さまざまな局面に登場する人物がいる。ドラム缶詰め遺体事件で実刑判決が確定した李正則受刑者(38)。角田(すみだ)美代子被告(64)の指示を受け、激しい暴力をふるう場面などが目撃されている。戸籍上は美代子被告のいとこだが、元々は離散に追い込まれた一族側の人間だった。

 ◇民家に出入り

尼崎連続変死事件を巡る相関図
尼崎連続変死事件を巡る相関図

 李受刑者の両親は幼い頃に離婚した。母親が再婚した相手は、3遺体が見つかった民家で暮らしていて行方不明になった女性(87)=図(1)=の長男(69)=図(2)。近所の人によると、祖母になった女性宅によく遊びに行き、「マサ」と呼ばれてかわいがられたという。

 高校卒業後に母親は再び離婚。美代子被告と02年ごろ知り合い、同居する。04年には美代子被告のおじの養子になり、美代子被告の側の親類になった。近所の住民によると、美代子被告と一緒にいる時の李受刑者は「何でも言われた通りで、手下か奴隷のようだった」という。

 母親と離婚した元義父宅で03年、李受刑者が目撃されている。元義父の母親=図(1)=とみられる女性らも一緒にいたという。当時、元義父は美代子被告から逃げるために姿をくらまし、女性らが部屋の荷物を片付けていた。李受刑者は女性に「早くしろ」と罵声を浴びせ、女性はおびえた様子だったという。女性はこの後、行方不明になった。

 ◇高松でも

 女性の長女=図(3)=が嫁いだ高松市の家族は同年、預かった李受刑者を「手に負えない」と帰したことを責められ、美代子被告や大勢の男に居座られて離散に追い込まれた。親族の一人は、美代子被告の傍らに「マサ」と呼ばれる男が常に付き添っていたのを覚えている。別の親族によると、李受刑者は美代子被告の息子と結婚した瑠衣(るい)被告(27)や行方不明の姉(29)=図(4)=とも親しかったという。

 ドラム缶事件の公判では、亡くなった女性の次女の元夫(42)=図(5)=が「(李受刑者に)何度も殴られた。美代子被告が『やめ』と言うまでやめず、殺されるんちゃうかなと思った」と証言した。判決は李受刑者が「生活全般にわたって世話になってきた美代子被告を助けなければ」と考えて死体遺棄事件を主導したと認定し、懲役2年6月を言い渡した。【山田毅、向畑泰司、鈴木理之】

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