反原発:11日の1万人規模デモ中止…都が公園使用厳格化

毎日新聞 2012年11月08日 18時35分

 反原発を訴えている市民団体が、11日に東京都千代田区の国会周辺で予定していたデモが中止になった。都がこれまでの対応を一転させて日比谷公園の使用ルールを厳格化し、デモの集合場所が確保されなかったからだ。官邸前などの抗議行動は予定通り実施されるが、都の対応に批判も上がっている。

 中止されたのは「首都圏反原発連合」(反原連)が企画した1万人規模のデモ。反原連は3月と7月に日比谷公園の一角からデモ隊を出発させており、今回も9月に、公園を管理する都に一時使用を届け出た。

 しかし都は「届け出制ではなく、許可が必要になった」と説明。許可の条件として園内の日比谷公会堂か大音楽堂(野音)を利用するよう求めた。両施設の利用には4時間で約8万〜25万円かかる。

 反原連はルール変更に抗議する一方、先月末に許可を求めて申請。しかし11日は両施設が予約で埋まっていたことなどから、都は「一般来園者の安全が確保できない」として不許可とした。裁判所への申し立ても退けられ、デモの中止が決まった。

 都公園課によると、デモの出発地を約1・5キロ離れた芝公園などに変更するよう勧めたが、反原連側は「家族連れやお年寄りに負担がかかる」として日比谷公園にこだわったという。

 鹿田哲也公園課長は毎日新聞の取材に「これまでは現場の判断で届け出制になっていたが、本来は条例に基づく許可が必要」と説明。約2万7000人(主催者調べ)が参加した7月のデモを機にルールを厳格化したという。ただ100人ほどの規模であれば、許可はいらないという。

 反原連の代理人を務めた小島延夫弁護士は施設利用がデモの条件になったことについて「お金がなければ、大きなデモができないことになる。集会の自由が失われかねない」と批判。「『デモ』とは何か」の著者である五野井郁夫・高千穂大准教授(政治学)は「長い間、デモの出発地として使われてきた日比谷公園は戦後民主主義の象徴。都のデモ制限は、それを否定することになる」と指摘している。【川崎桂吾】

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

TAP-i

TAP-i
ニュースを、さわろう。

毎日新聞Androidアプリ

毎日新聞Androidアプリ

MOTTAINAI

MOTTAINAIキャンペーン

まいまいクラブ

まいまいクラブ

毎日RT

毎日RT

毎日ウィークリー

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日jp×Firefox

毎日新聞のソーシャルアカウント

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞社の本と雑誌

毎日新聞社の本と雑誌

サンデー毎日

サンデー毎日

毎日新聞のCM

毎日新聞のCM