- [PR]
地方
津波発生即メール 県、来年度運用開始へ 和歌山
2012.11.9 02:13
■海底敷設センサーから
南海トラフ巨大地震に備え、県は海底に敷設されている地震・津波センサーから得られる情報を携帯電話のエリアメールなどで住民に一斉送信するシステムを構築することを決めた。地震発生を直ちに住民に知らせることで、早期避難に役立てるのがねらい。来年度中の運用開始を目指す。全国で初めての取り組みという。
利用するのは、独立行政法人海洋研究開発機構の「地震・津波観測監視システム(DONET)」の海底センサー。地震計や水圧計からなるセンサーは、紀伊半島の南東から約130キロの沖合にある南海トラフの震源域に現在20基設置されている。
これまで、気象庁などにデータを送信するなど、主に学術目的で活用されてきたが、同海域での地震発生を最も早く検知できることに県が着目。専用の通信回線を接続し、同機構から観測データなどを受け取って住民に津波の高さや到達時間などの予測情報をメールで知らせるシステムを計画しており、来年度中の実用化を目指して同機構と調整している。
海底センサーは震源域にあるため、地上より最大約十数秒早く地震を検知できるという。
同開発機構によると、海底センサー20基はすでに稼働中で、今後、紀伊水道沖など他の海域にも順次増設していく予定。
仁坂吉伸知事は「あらゆる可能性を追求し、県民に防災情報を伝えたいと考えている。防災無線があるからいいという話ではなく、さまざまな手段を重層的に構築することが重要」としている。
内閣府が8月末に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、串本町には高さ1メートルの津波は2分、10メートルの津波は4分で到達すると推計されている。
- [PR]
- [PR]