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証人のJR社員謝罪/3社長公判
2012年11月08日
2005年4月のJR宝塚線脱線事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴されたJR西日本元会長の井手正敬(まさ・たか)被告(77)ら歴代3社長の第10回公判が7日、神戸地裁であった。JR西の社員が証人として出廷し、カーブでの大幅な速度超過で事故が起こることを想定していなかったとして、「今思えば、申し訳ない」と謝罪した。
社員は事故発生時、JR西で自動列車停止装置(ATS)などの設備投資を担当。検察官役の指定弁護士から、事故前に積極的に安全対策をとってきたかと聞かれ、「攻めの安全対策という切り口でやっていたが、レベルが十分だったか、疑問が残る」と証言。一方で設備投資の費用に関する被告弁護側からの質問には、「コストダウンは求めていたが、(安全面の)機能を落としたことはない」と強調した。
この日は、現場の急カーブ化工事の投資決定に関わった元社員も出廷。当時上司だった井手元会長について、「安全設備の投資に関心がなかったか」と弁護側から聞かれたのに対し、「そんなことはない」と否定した。「井手元会長は独裁者と言われることもあるが」との質問にも、「独裁者と強いリーダーシップは似て非なるもので、井手元会長は(周囲からの指摘に)納得がいけば引いていた」と述べ、井手元会長を擁護した。(井上裕一)
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