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発送電分離、2方式で意見割れる 経産省専門委

2012/11/7 20:29
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 経済産業省の電力システム改革専門委員会(委員長・伊藤元重東大教授)は7日、電力改革の議論を4カ月ぶりに再開した。年末の取りまとめに向け、電力会社の発電と送配電の事業を分ける「発送電分離」の議論が本格化した。

 専門委はまず経産省が当面の競争促進策を示した。指針作りなどで新電力(特定規模電気事業者)が電気を調達し、大口需要家にも販売しやすくする。委員らは「速やかに実施してほしい」(伊藤委員長)と了承した。

 専門委はその後、発送電分離の2つの方法で、委員の意見が割れた。一つは電力会社の送配電部門をグループ内で分社化する「法的分離」だ。安念潤司氏は「(分社化など)法律の面でわかりやすく、制度設計もしやすい」と利点を指摘した。

 もう一つの方法の「機能分離」を推す声も出た。電力各社の送配電網の運用を独立した外部の機関に任せる手法で、「(電力会社の供給区域をまたぐ)広域の電力融通に適している」(松村敏弘氏)。

 発送電分離後も規制が必要との意見も相次いだ。大田弘子氏は「(電力会社の部門間で)情報や人事、予算を遮断し、取引を外部チェックできるようにすべきだ」と強調した。機能分離で送配電網を外部機関に切り離しても、電力会社関係者が外部機関の意思決定を左右すれば公平性が骨抜きになりかねないからだ。

 発送電分離は東京電力の取り組みが試金石になりそうだ。東電は政府の改革案に沿って、来年2月に燃料・火力部門を、同4月に送配電と小売部門をそれぞれ社内分社化する方針だ。

 ただ電力会社の改革への姿勢は慎重になりつつある。関西電力の岩根茂樹副社長は専門委で「発電、送電、小売りをわけるリスクは大きい」と述べた。専門委が7月に改革の基本方針をまとめた時は、電気事業連合会が発送電分離を容認した。しかし、原子力発電所の再稼働の遅れなど「従来と状況が変わった」(岩根氏)。電力会社の慎重姿勢が今後の議論に影響を及ぼす可能性がある。

 専門委は基本方針で、発送電分離や小売りの全面自由化の方針を盛り込んだ。年内に詳細を詰め、来年の通常国会に電気事業法の改正案を出す方向で検討している。

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