白河: 海外はそこが違います。アメリカやフランスでも、まず同棲して、子供ができるカップルは多いんですが、そこからすぐに結婚するわけではありません。同棲期間が長いという傾向があって、子供が生まれたから急いで結婚、みたいなことはしませんね。
安藤: フランスでは婚外子の割合が50%以上だと聞いたことがあります。
白河: 同棲して子供が産まれると、まず子育てをする。それで、相手の男性がきちんと子育てをしてくれる良いパートナーだとわかったら、結婚したり、フランスでは「パクス」という準結婚の形を取ったりします。わりと先進的な意識が強いパリのようなところだと、第二子ができてから結婚を考えるくらいが当たり前だという。
安藤: びっくりですね。そうすると、日本の女性たちが「婚活を頑張って早く結婚したい」というのは、世界的に見ると相当せっかちなのか。
白河: せっかちと言うか、先進国ではかなり特異なパターンですね。
安藤: 日本人はまだ、「結婚があって初めて子供が持てる」という、欧米とは逆の流れにしがみついているわけですか。
白河: そうですね。ただ、それは女性だけのせいじゃなくて、実際に結婚して働けている人がどれくらいいるのかを調べてみると、驚くような数字があるんです。統計によると、出産した女性の20%しか、第一子出産後に働いていない。
安藤: えっ! 8割の女性は出産すると働かなくなってしまうんですか?
白河: しかも、その数字は20年間、ほとんど動いていません。
安藤: 恐ろしい・・・。
都市部と地方では意識がまったく違う
白河: 山田昌弘先生によると、共働きの正社員の夫婦は、どの年代にも15%しかいないそうです。パートでは、なかなか経済的に自立できないでしょう。「自分で稼いで生活することができ、しかも子供も育てても大丈夫」という圧倒的な自信の裏打ちがないと、自由恋愛や事実婚は不可能だと思うんです。
安藤: わかります。あとは単純に「世間の目」を気にするということもあるんでしょうか。
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