今後のゲーム業界展望Part1 任天堂編
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まこなこ10周年企画ということで、今後のゲーム業界について少し語ってみようかと思う。普段は年末年始に取り上げることが多いが、せっかくなのでWiiUが発売される前のこのタイミングで。
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まずは任天堂からですね。ニンテンドー3DSが日本国内を中心に盛り上がっていますし、WiiUの発売も控えています。
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一見すると、良い感じになると思うかもしれないが、あまり安易に考えるのも禁物だ。
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駄目なのですか?
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良い悪いの前に、どの程度が適正か、ということを考えたい。WiiやニンテンドーDSの成功があったため、多くの人はそのあたりを基準にして考えてしまうと思うが、それは誤りだ。
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つまり、さらに上を行くというわけですね。
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そんなわけないだろ...。
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では、落ち込むということでしょうか?
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その可能性は高いし、普通に考えたらそうなる。そもそも、WiiやニンテンドーDSの時はバブルでそうなっただけで、そのバブルの状態をWiiUやニンテンドー3DSでも維持発展出来るかというと、やはり厳しい。もちろん、任天堂としては維持発展を目指すのだろうし、社長の岩田聡もそういうような話をしているのだが、現状は厳しい。
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ニンテンドーDSでの脳トレや、Wiiでの「Wii Sports」「WiiFit」などのレベルのゲームが再び出るのは難しそうですね。
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特に、これらのゲームは今までゲームをプレイしていない高年齢層や女性層に響いたタイトルであり、そのためゲームユーザー以外も機器を買うきっかけとなったわけだ。しかし、同じものを再び出しても、同じように売れることは無い。結局は一過性のものでしかないから。となると、また別のもので同レベルのものを出す必要がある。
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ニンテンドー3DSで発売されました「鬼トレ」は現時点では低調です。
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それがあるのかどうかで、WiiUやニンテンドー3DSの将来は決まるだろう。決して既存のゲームの最新作が出るだけではバブルは発生しない。マリオが出ようがモンハンが出ようが、それだけでは不十分だ。WiiやニンテンドーDS並みになるには、それだけでは足りない。現時点でニンテンドー3DSそのものが成功しているように見えていても、その成功はニンテンドーDSと比べたら微々たる成功でしかない。
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そうですか...。
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それでも日本国内に関しては、PSPで発売されて大ヒットしたモンハンがニンテンドー3DSで発売されることもあり、ニンテンドーDSの時とはまた違ったプラス要素があるんだけどね。いかんせん、海外では意味をなさず。海外では脳トレのようなものがあるかどうかによってニンテンドー3DSの成否が決まってしまう。そのため、この2012年の年末商戦は、そうしたタイトルが無くても売れるのかどうかを知る一つの注目点となる。
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WiiUはどうでしょうか?こちらも現時点で発表されているタイトルを見る限りでは、パッとしませんが。
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タイトル自体ではパッとしないが、いくつか注目すべき点も出てきた。
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それは?
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カラオケ。
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カラオケですか...。
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カラオケは結構大きいと思うぞ。国内でもWiiでハドソンから「カラオケJOYSOUND Wii」が発売され、それなりに売れた経緯がある。これを任天堂がオフィシャルでやるのだから、さらなる利用が見込まれる。また、このカラオケもまた、ゲームユーザー以外にアピール出来る大きな機能だ。
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そうでしょうか?
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歌は老若男女楽しめる要素の一つだから。「WiiFit」のダイエット要素、「脳トレ」の老化予防、「Wii Sports」の運動などとともに、歌も万人向けの内容だ。都心だと近所に迷惑が掛かるなどで利用が難しいかもしれないが、地方だと利用者が多く出ると思うぞ。昔は家庭にもカラオケがあったこともあり、地方ならば人が集まる年末年始やお盆などでの利用が見込まれる。それこそ、「Wii Sports」が果たしたような役割を「カラオケ」はWiiUで果たすことができる。
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ふむ。
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最近では一人カラオケなどをする人もいるし、カラオケの練習用として使う人も出る。利用価格も安価なので、これを広めれば新規ユーザーを多く獲得出来る。あとは任天堂の広報次第だ。
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カラオケは海外ではどうなのでしょうか?
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知らん。
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知らん、って...。
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提供されるのかすらわからん。少なくとも現時点では発表されていないので。ただ、これが海外でも類似サービスを行うとなれば、その注目度は増す。海外も音楽は盛んだから。それは、音楽系ゲームの売れ行きを見れば一目瞭然だ。日本以上に音楽と絡めたゲームが売れている。このため、特に人が集まる機会が多い海外であれば、より一層カラオケ機能というのは注目を集める。そうなれば、「Wii Sports」などで注目を集めたWii並みに売れる可能性もある。
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そうなりますと、まだWiiUの方が可能性が高いわけですね。
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他にもWiiU内でのソーシャル要素もあるし、この辺りがうまく発展していけば良い結果を生むだろう。ただ、逆にこれらは内向きになってしまう可能性もあるわけで。すでにパソコンやスマートフォンなどへの対応も発表されているが、しっかりと外部の端末やサービスと絡めていけるのであれば面白いのでは。単にゲームが売れる云々よりかは、売るための仕組み作りという意味でね。
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こう聞きますと、ゲーム自体での注目すべき点が無いように思いますが...。
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それは今後のソフトリリース次第。それこそ「どうぶつの森」がネット要素やソーシャル要素をフル活用してWiiUに登場となれば、爆発的なヒットの可能性もあるわけだし。現時点では全て可能性の話でしか過ぎないが、それを実際に出来るかどうか。それは任天堂の力量による。あとは世の中が良い方向に動くとか。そうした見えない部分も多々あるので現状で成否を確約することはできないが、うまく立ち回れば、まだまだゲーム機単体としての活躍も出来る。
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最近ではスマホやタブレットに焦点が当たることが多いですが、ゲーム機としての楽しみを提供し続けてもらいたいですね。
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今のそうした風潮はちょっと短絡的過ぎるとは思うが。それこそ、今まで圧倒的に普及しているパソコンでゲームがどこまで栄えたかと考えれば答えは出るだろう。海外はパソコンでゲームをするのに慣れている人も多いので、日本の感覚だけで語るのは好ましくないものの、それでも海外で据え置きゲーム機が2000年以降一般化したこともあり、WiiUならまだまだいける。
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WiiUは北米で11月18日に発売後、欧州で11月30日、日本では12月8日に発売されます。今後の動きも含め注目していきましょう。
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と、いうことで、まずは今後のゲーム業界の展望として任天堂について語ってみた。
2012年11月 8日 11:29 | 12年11月 | 2012年ゲーム全般 | 任天堂
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