中国共産党大会:「海洋権益、断固守る」胡主席日本けん制

毎日新聞 2012年11月08日 11時32分(最終更新 11月08日 13時33分)

中国共産党の第18回党大会で、政治報告を発表する胡錦濤総書記=2012年11月8日、AP
中国共産党の第18回党大会で、政治報告を発表する胡錦濤総書記=2012年11月8日、AP

 【北京・工藤哲】中国共産党の第18回党大会が8日午前9時(日本時間同10時)、北京の人民大会堂で開幕した。胡錦濤(こ・きんとう)総書記(国家主席)が中央委員会報告(政治報告)を発表。日本政府による尖閣諸島国有化を念頭に「断固として国家の海洋権益を守り、海洋強国を建設する」と述べ、日本をけん制した。また国内総生産(GDP)と、都市・農村の1人当たりの所得とも、2020年までに10年の2倍にするとの目標を掲げた。

 さらに自らが提唱してきた持続可能でバランスの取れた発展を目指す指導理念「科学的発展観」の成果を示し、引き続き堅持する決意を強調した。

 党大会は5年に1度開かれ、今回は14日までの7日間。02年から10年間にわたり党の最高ポストを務めてきた胡総書記や温家宝(おん・かほう)首相らが引退し、習近平(しゅう・きんぺい)国家副主席や李克強(り・こくきょう)副首相ら次の世代に権力が引き継がれた後の方向性を決める最も重要な会議となる。

 胡総書記の政治報告では、過去5年間の取り組みを「各種の困難やリスクを乗り越え、経済は発展し、改革開放政策は大きく進展し、人民生活の水準は高まった。国防・軍建設も新たな局面を切り開き、外交でも大きな成果を得た」と総括。さらに「我々は科学的発展観の指導の下、改革開放し、力を合わせ、小康(少しゆとりのある)社会を全面的に建設すべきだ」などと述べた。

 胡総書記が掲げる「科学的発展観」は、党内の「重要な指導方針」とされてきたが、党の行動指針であるマルクス・レーニン主義や毛沢東(もう・たくとう)思想、トウ小平(とう・しょうへい)理論、江沢民(こう・たくみん)前総書記(前国家主席)の指導理念「三つの代表」とは同列になっていない。

 胡総書記は報告で「科学的発展観」について「マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、トウ小平理論、三つの代表と共に長期的に堅持しなければならない指導思想」と述べた。これにより党大会での党規約改正で「科学的発展観」が行動指針として格上げされ、歴史に残る指導理念になることがほぼ確実となった。

 ◇「GDP・所得を倍増」

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