国際【石平のChina Watch】危機にひんする中国社会 胡政権の失敗と不作為 +(2/3ページ)(2012.11.8 11:09

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【石平のChina Watch】
危機にひんする中国社会 胡政権の失敗と不作為 

2012.11.8 11:09 (2/3ページ)石平のChina Watch
温家宝首相(右)と胡錦濤国家主席。10年間の政治はほとんど失敗に終わった=今年3月の中国の全国人民代表会議(共同)

温家宝首相(右)と胡錦濤国家主席。10年間の政治はほとんど失敗に終わった=今年3月の中国の全国人民代表会議(共同)

 人民日報系の雑誌「人民論壇」が今年10月に実施した意識調査で、回答者の70%が「特権階級の腐敗は深刻」とし、87%が特権乱用に対して「恨み」の感情を抱いていると回答したことは前回の本欄でも紹介した。それはまさに「和諧社会建設」の失敗に対する現実からの嘲笑であろう。

 貧富の格差が極端に拡大し「特権階級」に対する人々の「恨み」が増大すると、社会的不安はますます高まってくるものだ。全国で発生した暴動などの集団的抗議活動が年間9万件に上ったのは胡政権中盤の2006年のことだったが、政権末期の11年になると、暴動・騒動事件の発生件数が18万件を超えた。さすがの「胡温新政」、ただの5年間で「国民所得倍増」ならぬ「国民暴動倍増」を見事に実現させたのである。

 胡錦濤政権はその成立した日から、「維穏」、すなわち「社会的安定維持」を最重要課題にして国政の運営を行ってきたが、上述の「暴動倍増」の数字によっても示されているように、政権が「維穏」に熱を入れれば入れるほど社会的不安はむしろ高まってきている。揚げ句の果てには、胡政権最後の年である今年の国家予算に計上された「治安維持費」は当年度の国防費を上回る巨額となったほど、中国社会は完全に乱れている。

(次ページ)“中国経済学界の良心”が警告「すでに臨界点に達している」

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