【ロンドン=松崎雄典】ロンドン名物で60年以上の歴史がある黒塗りタクシー「ブラックキャブ」が苦境に立たされている。製造会社の英マンガニーズ・ブロンズ・ホールディングスが経営破綻。管財人は事業継続を目指して再建手続きに入る事態に陥った。メルセデス・ベンツなどとの競争で赤字が続いたところに、大規模なリコール(回収・無償修理)が重なり、資金繰りが行き詰まった。
今月12日、中国から調達するステアリングボックスに不具合があり、新車種400台のリコールと販売停止を発表。株式の2割を握る中国の吉利汽車など株主も救済を渋った。
今年8月には社内に新規導入した管理システムに不具合があり、損失や債務を過小評価していたことが判明、10月にはロンドン証券取引所での株式売買の停止に追い込まれていた。
管財人は大手会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)。支払いの猶予を得たうえで新たな融資元や出資者を募る。英国西部の製造工場で抱える約300人の従業員の雇用が懸念されている。
マンガニーズは1948年設立。ロンドンのタクシー市場で7~8割のシェアを占めるが、2008年にメルセデス・ベンツがワンボックス車「ヴィート」で参入し競争が激化。アゼルバイジャンへの輸出は好調だが、07年から赤字が続いていた。
来年には日産自動車がワンボックス車「NV200」をベースにしたタクシーを投入し、競争環境はさらに厳しくなる。
吉利は06年にマンガニーズに出資。中国に両社で合弁会社を設立し、海外向けのタクシーを製造するほか、マンガニーズの英工場にも部品を提供する提携関係にある。
ただ、10年に株式の過半を取得する計画を撤回するなど、マンガニーズ支援に慎重姿勢を強めていた。
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