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渡辺恒雄・読売新聞会長兼主筆が運転免許を不正更新

読売新聞グループ本社会長・主筆を務める渡辺氏

 渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長兼主筆(86)が、2004年に不正に運転免許を更新していたことがわかった。

 本誌が入手した当時の警視庁記者クラブキャップ(現・東京本社秘書部長)の日記によると、渡辺氏は2004年当時、運転免許の更新に際し、70歳以上に義務付けられた3時間の高齢者講習を、視力検査などわずかな検査項目のみで、約10分で終了していた。当時の広報部長(現・東京本社常務取締役総務局長)から「面倒くさい手続きを省いてほしい」と依頼されたキャップが、それを認めてくれる自動車教習所を探し、講習当日も随行していた。また、その過程で、当時の警視庁交通部交通総務課長(現・生活安全部長)がキャップの相談を受け、警視総監から「できる限りのことはやってやれ」と指示を受けていたこともキャップの日記には記されている。

 講習を受けた自動車教習所の社長は、本誌の取材に「実際に車に乗る実技試験は行わなかった。たしかに、それは法令違反です」と違反を認めた。

 当時の警視総監、交通総務課長は日記の記述を否定。渡辺氏、読売新聞は次のように回答した。

「なんか、おじさんの話を1時間くらいだったかな。あれこれ話を聞いて。そんな目くそ鼻くそのこと、何を言っているのかね」(渡辺氏)

「(2004年の免許更新の際は)待ち時間等の都合をつけてもらったので、比較的短時間で終わったが、一般的にも待ち時間等がなければ短時間で済むと聞いており、質問に『3時間以上が必要』とあるのは実態と食い違っている。警視庁幹部ら警察関係者に何かを依頼した事実は一切ない」(読売新聞グループ本社広報部)

 道路交通法施行規則には、〈高齢者講習の講習時間は、三時間とすること〉と明記されており、今回改めて警察庁広報室に確認したところ、「高齢者講習は、3時間というのが決まりです。これは2004年当時であっても変わりありませんし、これに例外を認めるような規定もありません」と回答している。

 道路交通法第117条では、〈偽りその他不正の手段により免許証又は国外運転免許証の交付を受けた者〉に対しては、〈一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する〉とされており、渡辺氏は時効が成立しているものの道路交通法違反を犯していたことになる。

 今後、読売新聞の報道倫理、遵法精神が厳しく問われることになりそうだ。

「週刊文春」編集部

この記事の掲載号

2012年11月15日号
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