国内携帯電話大手3社が7日発表した10月の携帯電話・PHS契約数によると、通信会社を変更しても同じ番号が使える「番号持ち運び制度(MNP)」でNTTドコモの18万9800件の転出超過と、同制度が始まった2006年10月以降、最悪の数字となった。
新規契約数から解約数を引いた純増数も苦戦、純増数は7200件と07年1月の7000件以来、5年9カ月ぶり、過去4番目に低い水準となった。
KDDIとソフトバンクモバイルが9月21日に発売した米アップルの人気スマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)5」で販売攻勢をかけており、ドコモの顧客が両社に奪われる格好となったため。
アイフォーン5が発売される前の6〜8月のドコモのMNP転出超過数は4万3300〜6万3400件で推移していたが「5」の発売以降、一気に膨らんでいる。
これに対し、KDDIとソフトバンクは好調を維持。MNPはKDDIが15万2700件の転入超過で、06年11月の21万7600件に次ぎ2番目の高い水準。転入首位は13カ月連続。
ソフトバンクは3万7900件の転入超過で9月の1200件から大幅に増加した。
一方、純増数はソフトバンクが28万4200件で10カ月連続でトップ。スマホの下取りや割引などの販促キャンペーンが寄与した。2位はKDDIで23万8800件。「5」の投入効果に加え、固定と携帯のセット割引なども利用者獲得につながっている。
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