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真紀子氏「肝心なこと言わず」2分後会見

 田中真紀子文科相(68)が6日、3大学の設置不認可問題で、見解が二転三転する混乱ぶりを露呈した。定例会見で「古い仕組みの決め方では認めがたい」と強調した後、再び会見し、「新しい基準を早急に決め、もう1度審査する」と認可に含みを残した。外務省の官僚組織と対立した外相時代と異なり、今回の「真紀子劇場」は、学生の人生を左右する問題に発展。波紋の大きさに焦ったのか。振りかざした「真紀子流」は、教育現場を混乱させるだけに終わりそうだ。

 真紀子氏は約50人の報道陣を前に、定例会見で「大学乱立に歯止めをかけ教育の質を向上させる。これが私の真意」と、現状の制度を批判。「放置するのは大臣、国会議員として無責任だ。アクションを起こせば反応もあり、これだけメディアも来た。覚悟の上で申している」と述べた。

 進路変更を迫られる学生もいると指摘されると、解散命令方針が決まった群馬県の堀越学園を持ち出し、「ここの生徒は明日から路頭に迷う。困っている人はたくさんいる。かわいそうとか、急とかいう意見は当たらない」と反論。正式認可前の校舎建設など大学の素早い対応も「どこからか(認可の)サインがあったのか。全部できているから認可を、というのはおかしい」と批判し「認可は大臣がする。古い形の決め方は認めがたい」と強調した。

 会見を約15分で打ち切り退室した真紀子氏だが、2分もたたないうちに事務方が「大臣が補足会見をします」。会見場に舞い戻った真紀子氏は「大勢のメディアにびっくりした。肝心なことを言わず、誤解を与えた」と切り出し、「新しい認可の仕組みを至急検討する。新たな基準に照らして判断する」と、認可の可能性に言及した。「3校を特別扱いするわけではないが、もう1度審査する。全部不認可だと思われたみたい。言葉が足りなかった」。3校の来年度中開設の可能性も「それも含めて考える」とした。2日に唐突に発表した不認可問題。真紀子氏いわく「改革、イノベーション」だったが、政治問題に形を変えてしまった。

 外務省の官僚組織と対決した外相時代同様、文科省の既存制度にかみついたが、今回敵に回したのは一般の学生だった。大学の反発で、慌てて軌道修正。自身が認めた新制度での判断なら認可もあり、という自己中心的な対応には「組織をかき回すだけ。以前と何も変わっていない」(政府関係者)。3大学の直談判の要望にも「事務的には局長、政治的なことが必要なら副大臣」と述べ、今日7日の面会は副大臣が行い、自身は出席しない予定だ。

 「役所に私が1カ月、2カ月、10年いるか分からないが、許認可は重要」と真紀子氏は話すが、自民党は問責決議案提出を検討。野田政権のアキレスけんとされた「ダブル田中」の前評判通り、田中慶秋前法相に続き、真紀子氏の責任も問われそうだ。【中山知子】

 [2012年11月7日8時43分 紙面から]





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