11月のテーマは「国の年金はバラ色老後に欠かせない」です。バラ色老後を考えていくに当たって必ず考えていかなければいけないのは、国の年金とのつきあい方です。国の年金は「過信は禁物、疑心も禁物」です。それでは、バラ色老後を実現するために、国の年金についてどのように理解し活用していけばいいのでしょうか。
■若い世代の多くは国の年金は破綻すると思っている?
20代から30代の若い世代にとって、「年金」といえば不公平の象徴であり、不信感の塊のようなものかもしれません。
内閣府「子ども・若者白書(2012年版)」によれば、若者に対する働くことの不安のうち、老後の年金に関する不安は81.5%と高い割合を示しています。年金の安心がなければずっと働き続けなければならないかも、という恐れが垣間見えます。
10月31日に公表されたばかりの金融広報中央委員会の調査(「家計の金融行動に関する世論調査」単身世帯)では、金融資産を保有する目的として、「老後の生活資金」と回答する割合が初めてトップとなりました。「病気や災害への備え」「住宅取得の資金」といった具体的な資金ニーズや「とくに目的はないが、金融資産を保有していれば安心」という回答を、具体的に「老後の不安」が上回っているわけです。
公的年金についての不信感は若い世代ほど高いようで、世代間の不公平を論じた記事や書籍もたくさんあります。破綻が間近である、あるいはすでに破綻状態であるとする意見も多いようです。
しかし、本当に年金制度は破綻するのでしょうか?