田中文科相 一転して3大学認可へ11月7日 16時52分
田中文部科学大臣は7日の衆議院文部科学委員会で、来年春の開設を予定していた3つの大学について、「現行制度にのっとり、適切に対応する」と述べ、新たな審査基準を設けて判断するとしていた姿勢を一転させ、今の制度のもとで速やかに認可する考えを示しました。
この中で田中文部科学大臣は、文部科学省の審議会が来年春の開設を認可すると答申した秋田市、札幌市、愛知県岡崎市の3つの大学の認可を見送ったことについて、「3つの大学について、どこかが悪いとは思っていない。ただ、これまでの仕組みに従い認可するだけでは、いつまでも大学教育を変革できないので、新しい審査基準を作ることで大学教育の質を向上させたいということだ」と述べました。
そして田中大臣は委員会の最後に発言を求められ3つの大学の扱いについて、「大学の設置認可のあり方については、今後、抜本的な見直しを行う。3つの大学の開設については、委員会審議や諸般の事情も鑑み、現行制度にのっとって適切に対応する」と述べ、新たな審査基準を設けて判断するとしていた姿勢を一転させ、今の制度のもとで速やかに認可する考えを示しました。
“まだ信用できない”
田中文部科学大臣が3つの大学の開設を認可する考えを示したことについて岡崎女子大学の開設を目指している学校法人「清光学園」の長柄孝彦理事長は「ある種、ほっとしており、山は越えたかと思っている。ただ、正式に連絡を受けた話ではないので、早急に文書で連絡をいただきたい。そうでなければ、これまでの発言のように何があるかわからないので、信用はできない」と述べました。
また長柄理事長は「今月末に予定していた推薦入学の試験は間に合わないが、認可がおりればできるだけ早く学生の募集をしたい」と述べました。
“わかってもらえて感謝”
田中文部科学大臣が一転して3つの大学の開設を認可する考えを示したことについて、札幌市の「札幌保健医療大学」の開設を目指してきた学校法人「吉田学園」の吉田松雄理事長は「きょうまでとても長く感じました。最後はわかってもらえたようなので感謝申し上げたい」と目を潤ませながら述べました。
そのうえで今週中に認可となった場合には来月初めにも大学の推薦入試を実施したいという考えを明らかにしました。
“信頼感を失う”
撤回を求めるため文部科学省を訪れていた秋田市の穂積志市長は、田中文部科学大臣が一転して認可する考えを示したことについて、「大臣の答弁が変わってきた。今週中に対応したいということなので期待している」と述べました。
そのうえで、今回のことについて、「信頼感を失う、その一点です。一番犠牲になったのは子どもたちなので、一日も早く安心させてほしい」と述べ正式な書面とともに速やかに認可を出すよう求めました。
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