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日中 ASEMで尖閣巡り激しい応酬
11月6日 22時3分

日中 ASEMで尖閣巡り激しい応酬
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ラオスで開かれていたASEM=アジア・ヨーロッパ首脳会議で、野田総理大臣が沖縄県の尖閣諸島について、「わが国の固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いがなく、領有権の問題は存在しない」と発言したのに対し、中国の楊外相は「600年前の明の時代から中国が支配している」と述べるなど激しいやりとりが交わされました。

ラオスの首都ビエンチャンで開かれていたASEM=アジア・ヨーロッパ首脳会議は、2日目の6日、地域情勢などを巡って意見が交わされました。
この中で、野田総理大臣は、沖縄県の尖閣諸島の問題を念頭に、「日本は、いかなる紛争や主義主張の違いも国際法に従い、平和的なアプローチで克服していくことを重視している」と強調しました。
これに対し、中国の楊外相は尖閣諸島について直接言及し、「中国の立場は一貫している。日本の主張は戦後の秩序を否定するものだ」と述べました。
このため、野田総理大臣は、会議が次の議題に移った際に、「本来、2国間の問題について、この場で話すことは考えていなかった」としたうえで、「尖閣諸島がわが国の固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いがなく、領有権の問題は存在しない」と中国側に反論しました。
しかし、楊外相は「島は昔から中国の領土で、600年前の『明』の時代から支配している。日本の行動は、公然と反ファシスト戦争の結果を否定し、戦後の国際秩序と原則への重大な挑戦だ」などと述べました。
さらに、会議では、野田総理大臣が中座したあとも、外務省の斎木外務審議官と中国側との間で応酬が続きました。
日中関係が悪化しているなか、両国の事務レベルでは協議が行われ、意思疎通が重要だという認識では一致していますが、首脳レベルの国際会議の場では、双方が譲らず、激しいやりとりが交わされることになりました。
野田総理大臣は訪問先のラオスで記者団に対し、「中国から尖閣諸島に触れる不適切な発言がでた。2国間を巡る問題は、ASEMの場にはふさわしくないという認識で触れなかったが、中国の代表が残念ながら触れたので、私から改めて日本の立場を明確に申し上げた。尖閣諸島は歴史上も国際法上も、わが国固有の領土であり、現に有効に支配している。したがって領有権の問題は存在しない。そしてわが国は戦後一貫として平和国家の道を歩んできており、これからも東アジアにおける平和と繁栄については、民主主義国家としての責務を果たしていく」と述べました。そのうえで、野田総理大臣は「日中にとって中国との2国間関係は重要だと思っている。尖閣諸島を巡る現下の困難な状況はあるが、その基本認識は持ちながら、大局観を失わずに、さまざまなチャンネルを通じて冷静な協議を行っていく。基本的な姿勢はそういうことに尽きる」と述べました。

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