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11月分地方交付税の交付延期、東北は5776億円遅れ

 政府が30日に発表した地方交付税(11月分)の交付延期に伴い、東北6県と各市町村で計5776億円の支給に遅れが生じることが分かった。政府は9月も県分を一括交付できず、一時借り入れによる金利負担を強いられる県も出ている。資金需要が高まる年末を控え、自治体の資金繰りは綱渡りを強いられそうだ。

 11月分の東北各県の県分、市町村分の交付予定額は表の通り。秋田県は、9月の支払い延期に伴う一時借り入れの金利が約100万円に上った。年度末まで全額交付がされない場合、一時借り入れの金利負担は1000万円と試算した。
 担当者は「決まっていた予算が予定通り執行されなければ、地方は何を信じればいいのか。金利は国の責任で支払うべきだ」と不満を募らせる。
 岩手県は基金を取り崩して各種支払いを賄っており、本来見込めた運用益約250万円が失われた。青森県も一時借り入れによる金利負担が約12万円となり、予定外の出費となった。
 12月は職員のボーナスや公共工事の出来高払いなど資金需要が集中する。国は臨時国会の状況を見極め、今後の支払いを検討するとしているが先行きは不透明だ。
 山形県は「このまま11月分が来ないと来年1月には資金がショートする」と危機感を強める。福島県は「財政状況が直ちにおかしくなることはないが、長引けば資金需要が高まる時期に重なる」と早急な対応を求めた。
 財政基盤が弱い市町村はさらに深刻な事態も予想される。秋田県によると、歳入の約9割を交付金が占める上小阿仁村、東成瀬村は来年度まで支払いがなければ、行政サービス縮小や給与の遅れの懸念が高まるという。
 震災の復旧、復興事業が本格化する被災市町村では契約時の前払い金が大きな出費となる。宮城県内の自治体担当者は「資金繰りは苦しく、借り入れを検討する必要もある」と困惑した。


2012年10月31日水曜日


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