パソコンの押収が終わると、三重県警はAさんと兄に任意同行を求めた。無実を証明する必要を感じた二人は同行に応じた。Aさんの父が続ける。
「長男については、予告が書き込まれた時間に仕事に出ていてアリバイがあるため、すぐに疑いが晴れたようです。しかし、家にいた次男にはアリバイがなかった。翌14日の朝8時半、次男だけが警察署に再び連れて行かれ、重要参考人として取り調べられた。
私たち家族は次男を信じていたし、次男も一貫して『書き込んでなどいない』と主張しました。しかし、次男はそのまま逮捕されてしまったのです」
Aさんが勾留されている間、家族は「ウチは無線LANだから、家の近くから誰かが無線LANを使って書き込んだのではないか。そうすればIPアドレスがわが家のものになるのでは」などと話していた。いろいろな可能性を考えたが、Aさんへの信頼が揺らぐことは一度もなかったという。
北村さんのケースと異なり、Aさんの取り調べは異様な形で進んだ。
Aさん「私は書き込んでいません。2ちゃんねるでソフトをダウンロードしたらパソコンの動きが急に遅くなった。その時にウイルス感染したんだと思う」
刑事「本人が書き込まなくても、遠隔操作できる可能性があるのか」
Aさん「あります」
背景にはAさんが大学で工学部に在籍し、コンピュータにも非常に詳しかったことがある。
「刑事さんに対し、整然と論理的に説明し、様々なウイルスが存在することも伝えた。それで徐々に、警察側も誤認逮捕という認識になったようです」(父)
今回、「IPアドレスが一致すれば逮捕できる」という考えは各都府県警共通だったが、その後の捜査の進み方には温度差がある。
警視庁に逮捕された福岡の男性には同居している女性がおり、男性は女性が書き込んだと思い込んだ。
「女性をかばうため、罪を認めてしまった」とこの男性は語っている。
捜査が最も強引だったのは、神奈川県警だったようだ。
「予告の書き込みが6月29日で、逮捕はわずか2日後。数日後には明大生が自白したとされ、『鬼殺銃蔵』という名前も含め、知るはずのない犯行の手口を記した上申書を提出させている。しかも、保土ケ谷署生活安全課と捜査協力をした県警サイバー犯罪対策センターが、『ログを解析したら、横浜市のHPにアクセスしてから2秒で書き込みを終えており、不自然ではないか』と意見を同署に伝えていた。明らかに、有罪ありきで自白を誘導しています」(県警担当記者)
- 第1部 オバマは中国が大好き ショック!アメリカは日本ではなく、中国を選んだ (2012.11.07)
- これは酷すぎる!警察・検察の「反省」なんてみんなウソっぱちだった ネットなりすまし殺人予告 誤認逮捕の被害者が「恐怖の取調室」を語った (2012.11.06)
- 年内総選挙の全情報 第1部 石原慎太郎 80歳の決断もむなしく新党はわずか5議席しかとれない「橋下維新」は100議席獲得へ (2012.11.05)
- もはや教祖!橋下も霞んだ小泉進次郎「薩摩降臨」 (2012.11.04)
- 当然のことながら、この島は日本固有の領土でした 極秘 CIA文書で報告された「尖閣の歴史」 (2012.11.03)
- 捜査当局を挑発する2ちゃんねる「元管理人」ひろゆきは警察権力による「思惑捜査」の餌食となるのか!? (2012.09.27)
- 小沢一郎元代表への被告人質問でヤマを越した「陸山会事件」の持つ意味と露呈した刑事司法改革の難しさ (2012.01.12)
- 警察庁、ストーカー事件防止の徹底通達 3県警の連携ミスで起きた殺人事件を反省[犯罪] (2012.04.10)
- 村木冤罪事件でまたもや起きた「親ガメ現象」 (2010.10.13) - jbpress.ismedia.jp
- 反省無き警察が踏みにじる 足利事件菅家利和さんの「心残り」と市民の「不安」 (2011.01.29)
-
-
読書人の雑誌『本』より『ゼロからわかる経済学の思考法』 著者:小島寛之 経済学への「愛」と「がっかり」 (2012.11.07)
-
ヘルス&ビューティ・レビュー(HBR)マラソンでの心突然死は最後の5kmで起きる! (2012.11.07)
-
経済の死角第1部 オバマは中国が大好き ショック!アメリカは日本ではなく、中国を選んだ (2012.11.07)
-