これは酷すぎる!警察・検察の「反省」なんてみんなウソっぱちだった ネットなりすまし殺人予告 誤認逮捕の被害者が「恐怖の取調室」を語った

2012年11月06日(火) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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 しかも、根負けしてやってもいない罪を認めてしまったら、この先の人生を犯罪者として生きていかなければならない。その恐怖感は想像を絶するものがあっただろう。

 そして、忘れてはいけないのは、この北村さんの悲劇がけっして他人事ではない、ということだ。まったく同じことが明日、あなたの身に起きても不思議はない。サイバー犯罪は、パソコンやスマホを使うすべての人間を一瞬にして「冤罪被害者」にする危険性をはらんでいる。

真犯人の犯行声明に記されていた「殺人予告」

 発端は7月1日、東京・杉並区に住む19歳の明治大学生が神奈川県警保土ケ谷署に逮捕されたことだった。横浜市のHPに小学校を襲撃する殺人予告(文面は右を参照)を書き込んだという、威力業務妨害の疑いだった。

 結論から言うと、これも冤罪だった。しかし、3日付のスポーツ新聞にはこんな記事が載っている。

〈明大広報課担当者は「事実関係を確認し、厳正に処分します」とコメント。商学部2年の女子学生は「明治の恥。大学のイメージが悪くなり、就活などで他の学生に迷惑がかかる」と憤っていた〉(日刊スポーツ)

 広報課が「厳正に処分」と言い切っているのが恐ろしい。「警察の言うことは常に正しい」「逮捕=悪い人」という図式は日本人の奥深くまで浸透している。

 記事には「男子学生は否認している」とあるが、このベタ記事を読んだ時点で冤罪を疑った人はほとんどいなかっただろう。

朝6時に刑事がやって来た

 続いて8月26日、前述の北村さんが逮捕される。7月下旬、大阪市のHPに「オタロード(大阪・日本橋)で大量殺人をする」と書き込んだ容疑だった。

 3件目は福岡の無職男性(28歳)。芦田愛菜ちゃんの所属事務所と、秋篠宮悠仁さまが通うお茶の水女子大附属幼稚園に襲撃予告を送りつけた容疑で、9月1日に警視庁が逮捕した。

 そして最後は9月14日、2ちゃんねるに伊勢神宮爆破予告をしたとして、三重県津市に住む28歳の無職男性が三重県警に逮捕されたのだ。

 4事件とも、真犯人は別にいた。先ほどの殺人予告にある「鬼殺銃蔵」を名乗る人物が、後にテレビ局と弁護士に犯行声明を送りつけ、ようやく各警察は誤認逮捕を認めたのだが、それについては後述する。

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