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作業員、実は8000人 廃炉工程表に「2万4300人」県が抗議

 東京電力福島第一原発1~4号機の廃炉措置に向けた中長期ロードマップで、約2万4300人とされている登録作業員数が、実際には約8000人であることが6日、分かった。東電はスケジュールに影響はないとしているが、県は「廃炉作業への信頼性を損なう」として、東電と経済産業省資源エネルギー庁に抗議した。
 7月に改定されたロードマップで東電は、今年1年間に必要な作業員数が約1万1700人なのに対し、5月時点で従事登録している作業員数は約2万4300人で「要員の不足は生じない」としていた。
 しかし、実際には昨年3月の事故発生以降、今年5月までに登録された作業員数を単純に足した数が2万4300人で、既に退職したり事務職に配置換えとなったりした作業員数を差し引いていなかった。
 東電は、1カ月間の廃炉作業に必要な作業員は5500~6000人で、当面の作業に支障はないとしている。ただ、将来的には人材確保が難航し不足する可能性も否定できないことから、協力企業と連携し対応策を検討する。
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 県の荒竹宏之生活環境部長は福島市の県自治会館で、東電の新妻常正常務執行役、ロードマップを進行管理する資源エネルギー庁の荒川嘉孝中長期対策官に対し「ロードマップは廃炉の根幹。誤りと認識しながら訂正や公表してこなかったことは、固唾(かたず)をのんで廃炉作業を見守っている県民への裏切りだ」と激しく非難。東電とエネ庁に対して(1)事実関係の把握の経緯(2)事実関係を把握しながら、訂正や公表を怠ってきた経緯・理由(3)今後の廃炉作業の推進に向けた要員確保の取り組み方針-などを速やかに調査し回答するよう求めた。新妻常務執行役は「速やかに報告する」と述べた。

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