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【ロサンゼルス=藤えりか】東京電力福島第一原発の事故で、住民らの2割以上が悪夢を見るなどの後遺症に陥り、現場で働く東電社員も嫌がらせや中傷に苦しんだ――。日本の精神医学者らが1日、米ロサンゼルスで開かれた国際トラウマティック・ストレス学会で発表し、世界の参加者の関心を集めた。
「福島の子供の21.5%が危険な心の状態にあり、(16歳以上の)大人は21.3%が心的外傷後ストレス反応に陥っている」。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の鈴木友理子室長は、自らも携わった、福島県による今年1月の住民調査について報告。大人の心的外傷後ストレス反応の割合は、9.11同時多発テロ後に世界貿易センターで復旧にあたった作業員らを上回る、とも語った。
福島の原発で働く東電社員に聞き取り調査をした防衛医科大の重村淳講師は13%が中傷や差別的行為を受けたと発表。結果、25%が神経過敏になったり、現場に行きたがらなくなったりする心的外傷後ストレス反応を示し、43%が不安やイライラを感じる要注意の健康状態となったと説明した。