【太田泉生】宅地開発に伴って谷や斜面に土を盛った「盛り土造成地」が、関東5都県と愛知県で30〜40年前の1.7倍に増えていることが分かった。国土地理院が調べた。盛り土造成地は地震や大雨で崩れやすく、大阪府や福岡県などでも広がっている。都市が抱える「災害リスク」が改めて浮き彫りになった。
国土地理院は1960年代から防災対策や都市計画に使われる「土地条件図」を作成。これまでに作った34都道府県のうち関東5都県と愛知県の図の大半は1969〜79年に整備し、その時点の盛り土造成地は計956平方キロだった。
ところが、土地条件図を更新するため、2010〜11年に関東5都県と愛知県の計5987平方キロを調査した結果、東京都の都市部の盛り土造成地が348平方キロ→463平方キロ▽神奈川県が231平方キロ→399平方キロ▽愛知県が69平方キロ→125平方キロ――と増加。他の3県も軒並み増えていた。