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性同一性障害の嫡出子認めず 東京家裁11月2日 16時51分
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「性同一性障害」と診断され戸籍の性別を変えた夫が、妻との間に人工授精で生まれた子どもを法律上の夫婦の子として認めるよう求めた審判で、東京家庭裁判所は「婚姻届が出されていても、このケースでは法律上、夫婦の子どもと認められない」という決定を出しました。
心と体の性が一致しない「性同一性障害」と診断されて、戸籍の性別を女性から男性に変えた30歳の夫とその妻は、第三者から精子の提供を受けて人工授精で子どもを出産し、ことし、新宿区役所に出生届を出しました。しかし、法律上の夫婦の子である「嫡出子」と認められなかったことから、家庭裁判所に審判を申し立てていました。
東京家庭裁判所の松谷佳樹裁判官は2日までに、「性別が変わり、婚姻届を出したといっても、夫は子どもを作ることができないため、このケースでは法律上、夫婦の子どもと認めることはできない。戸籍はあくまでも外形的に夫婦の子であるかどうかを判断するもので差別ではない」と指摘し、夫婦の申し立てを退けました。
会見で夫は「『差別ではない』と言うが、国にも裁判所にも差別されたと感じ、悔しさと悲しさでいっぱいです。夫や父親として生きていけるよう闘い続けたい」と話し、東京高等裁判所に抗告する方針を明らかにしました。
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