露大統領:セルジュコフ国防相を解任
毎日新聞 2012年11月06日 20時10分(最終更新 11月06日 22時43分)
【モスクワ田中洋之】ロシアのプーチン大統領は6日、セルジュコフ国防相を解任した。ロシアでは国防省の関連企業をめぐる巨額詐欺事件の捜査が進んでおり、大統領は解任理由について「公正な調査の条件をつくるため」と説明したが、不祥事の責任を負わせたものとみられる。
後任の国防相には、前非常事態相のショイグ・モスクワ州知事が任命された。プーチン氏の大統領復帰(3期目)に伴い5月に発足したメドベージェフ内閣で、閣僚解任は先月のゴボルン地域発展相に続いて2人目。
セルジュコフ氏は、連邦税務庁長官などを経てプーチン大統領2期目の07年に国防相に就任し、軍改革や軍人の待遇改善などに取り組んできた。詐欺事件は、セルジュコフ氏が昨年まで会長を務めていた国防省直轄の防衛関連会社オボロンセルビスで発覚。関係者が資産を不正に売却するなどして国庫に30億ルーブル(約76億円)以上の損失を与えた疑いが持たれている。連邦捜査委員会が先月末から捜査を始めていた。
後任のショイグ氏はエリツィン元大統領時代の94年から18年間、非常事態相を務め、今年5月にモスクワ州知事に転身したばかり。清廉さで知られ、プーチン大統領の信任も厚く、詐欺事件で揺れる国防省立て直しのために白羽の矢が立ったものとみられる。ショイグ氏の後任を決めるモスクワ州知事選は来年9月に行われる。