【モスクワ=関根和弘】ロシアのプーチン大統領は6日、軍改革の旗手だったセルジュコフ国防相を更迭した。国防省が管轄する防衛企業をめぐる巨額詐欺事件の責任を取らせたとみられる。
後任にはショイグ・モスクワ州知事を任命。今年5月に長らく務めた緊急事態相から転身したばかりだったが、国民の信頼が厚い同氏の起用で事態の早期沈静化を図る。
解任劇のきっかけになったのは、最近発覚した国防省直轄の防衛関連企業「オボロンセルビス」をめぐる巨額詐欺事件。同省の元官僚や同社関係者らが、同社所有の不動産の価値を偽って内部報告し、実際よりも低い価格で売却した疑いがもたれている。これにより、国に約30億ルーブル(約75億円)の損害を与え、見返りとして売却先から国防省関係者に賄賂が渡った疑いがある。