石川県かほく市の大崎海岸で昨年8月、金沢市の夫婦(ともに当時23)が砂浜の落とし穴に落ちて死亡した事故で、夫の両親が、妻の両親と夫の友人計8人に、総額約9100万円の損害賠償を求める訴訟を金沢地裁に起こした。「穴を掘った妻と友人6人は、人が死ぬ可能性を十分に予見できた」と主張している。
提訴は10月17日付。第1回口頭弁論は12月4日にある。訴えによると、妻と夫の友人6人は昨年8月27日午後2時〜午後7時ごろ、誕生日を控えた夫を驚かせようと、砂浜に深さ2.3メートル、直径2.4メートルの穴を掘り、シートで覆った。その後、妻が夫を呼び出し、午後10時40分ごろ、2人は穴に転落。崩れた砂に埋もれて窒息死した。
妻と友人6人は、昨年12月に重過失致死などの疑いで書類送検されたが、金沢地検は今年1月、発案したのが妻で、夫を驚かせる目的だった点を考慮し、友人6人を不起訴処分(起訴猶予)に、妻を被疑者死亡で不起訴処分としている。